第53話

「隙がなくっちゃねぇ。」


「え、隙ですか?」

「そ、どこからも完璧な女って男は引くのよ」


「ハッハ、おネエが言っても説得力ね~よなぁ」

 シュンが笑った。


「あァ~ら、何よ。差別よ。今の……」

 おネエのアスカが眉をひそめ睨んだ。


「冗談ですよ。ねぇ、ミオ。

 オレで良かったら、彼氏になるぜェ……」

 盛んにチャラ男が誘ってくる。


「え……?」

「あんたは、美人なら誰でもいいのか。

 アカネは……、あ!」

 一同の顔色が変わった。


「アカネ……さん?」

 あたしが聞き返した。


「ううん、何でもないの。

 ここの住人は、この3人と、あと一人」

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