第41話

「イスルギ警部補・・・」

 冨田刑事は肩を竦めた。

 八木は、リオの長くスラッと伸びた

美脚を見て、ニンマリした。


「身元は・・・?」

 リオは腕を組んで冨田に訊いた。

こうして見ると本物の女優のようだ。

「はぁ、顔がアレなんで・・、

鑑定して見ないと断定は

出来ませんが・・・」

「所持品は・・・」

「財布や免許証の類(たぐ)いは

抜き取られていました。」

「ふ~ン、じゃぁ、流しの

センも捨てきれないわね。」


「よ~、姉ちゃん。

ドコの事務所だ?」

 八木はまだ訊いてきた。


「オスカーよ。オスカー。」

 リオは適当に応えた。


「イスルギ警部補~・・・。

本気にしますよ。おじいさん。」

 冨田は困った顔で言った。


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