第十九話 『茶髪と金髪と黒髪と』
ふと腕時計を確かめてみれば、既に日付が変わってから二、三十分の時が過ぎていた。
日が沈んだくらいでは人々の喧騒が絶えることのないこの街も、流石に終電が近づけば徐々に深夜本来の静けさを取り戻していく。
飲んだくれのサラリーマンも、小煩い大学生の群れも、最早周囲にはほとんど見当たらない。こんな時間になっても元気に街を練り歩いているのは、夜が本番の風俗関係者、或いは頭の悪い不逞の輩ぐらいのものであるだろう。
そして高めの身長に筋肉質な体つき、そして切れ長の四白眼と酷い隈が特徴的な少年――――
我ながら夜遊びが過ぎたとは思うが、別に何か特別な用があったわけではない。
気に食わないラーメン屋の店主に突っかかり、興味も無いパチンコで二十万溶かし、不良達が溜まり場にしている廃ビルの一室を金属バットで荒らして回る。
そんな平和な日常を繰り広げているうちに、気付けば夜が更けてしまったというだけの話である。
「本当、テメェでも吃驚するぐらい元に戻っちまったな……」
光のない虚ろな目を伏せながら、樋田はどこかつまらなそうに独り言つ。
晴と決別したあの日から、更に一日を挟んで月曜日。あれから首無しの怪物、そして簒奪王がこちらに接触してきたことは一度もない。
ついこないだまで耳を削がれたり、両腕の皮を剥がされたりしていたのがまるで嘘のように、何も起こらない平和な日々が続いている。樋田は晴と出会う前の日常を、確かにこの手に取り戻すことが出来たのだ。
その結果だけを見れば、やはり彼の選択は正しかったのだろう。少年は信念と理想を諦め、己の身の安全と現実を取り、果たして世界はその通りになったのだから。
「これで、良かったんだよな」
されど、その選択に一切の後悔が無いかと聞かれて、そうだと答えればきっとそれは嘘になる。
「本当に変わらねぇ――――いや、本当に変われねぇな俺ァ……」
もしあのとき共に世界を救おうと言う晴の手を取っていれば、そして彼女を簒奪王から護るために、己の命を賭ける覚悟が出来ていたならば――――過去にたらればを言っても仕方がないのは分かっているのに、ついそんな夢物語を想像せずにはいられない。
しかしそこまで考えて、樋田は結局何かを振り切るように首を横に振った。
「チッ、無い物ねだりしたってしょうがねぇだろ。別に俺ァ何も失っちゃいねぇ。ただ……、ただ元に戻っただけじゃねぇか」
ギリリと奥歯を悔しさに鳴らせながら、樋田は爪が食い込むほどに硬く両手を握り締める。
こんな意味の無い逡巡を、自分はあの日からもう何度繰り返しているのだろう。結局最後は無理だと諦めるくせに、どうしても筆坂晴の事を忘れることが出来ない。
「クソッ、うざってぇ……」
そう吐き捨てながら樋田が進んでいくのは繁華街の奥の奥、最早お馴染みの場所となった薄暗い裏路地の中だ。特に何か目的があるわけではないが、何故か自然と体がそこへと吸い寄せられていくのである。
そうしてそこらに転がるゴミの山を蹴飛ばしながら歩いていると、通路の反対側から人影が向かって来ていることにふと気付いた。
「ハア? こんな狭ぇトコで広がって歩いてんじゃねぇよ糞猿が……」
目を凝らして見てみれば、どこか見覚えのある二人組のシルエットが段々と浮かんでくる。男達はどちらもそこそこの体格をしており、一人は肩まである長い茶髪で、もう一人は短く刈った頭を金に染めている。
その威圧的な外見はもちろんのこと、こんな深夜に暗がりをうろついている時点で、彼等が碌でもない連中であることは薄々察することが出来る。
されど態々意識するのも日和ったみたいで癪なので、樋田はそのまま気にせず真っ直ぐ進み――――結果、よく当たることで有名な彼の悪い予感は、今回もものの見事に的中した。
男達とギリギリのところですれ違おうしたその瞬間、樋田と茶髪の肩が僅かにぶつかったのだ。
「オイオイにーにゃん……、ぶつかっといて謝罪もなしかよ」
そのまま背中を強く突き飛ばされ、樋田の体は為すすべなくコンクリートの上へと倒れこむ。続いて頭上から降りかかるのは、姿同様どこか聞き覚えのある下品な笑い声だ。
そこで樋田は連中が、三日前女の子に絡んでいた七人組――――そのうちの二人であることをようやく思い出す。
「……あぁ、なるほどそういうことか」
何故己はこんな糞の掃き溜めのような場所まで態々足を運んできたのか、その理由がなんとなくわかったような気がする。
晴に対する未練、或いは己が選んだ選択への後悔。そして何より自分を頼ってくれた少女を、我が身可愛さに見捨てたことに対する自己嫌悪。きっと自分は胸の中で燻り続けるこのドス黒い感情を、どこかにぶちまけたがっていたのだ。
いくら嬲ったところで罪悪感を抱かずに済むクズ――――そんな都合のいい存在を探し求めて、自然とこの場所までやって来てしまったのだろう。
「オイ、無視ぶっこいてんじゃねぇぞ、この細目野郎がアアアアアアアッ!!」
「――――ガハァッ!?」
つい自分の世界に入り込んでいた樋田の腹部に、茶髪の鋭い蹴りが突如として突き刺さる。途端に不快な酸味が喉の中を這い上がり、内臓という内臓を鈍痛が走り回っていく。
そこらのチンピラにしては、中々に悪くない一撃であった。体の奥に直接響くようなこの痛みが、その威力の凄まじさを確かに物語っている。見た目の雄々しさからも分かるように、こいつらは明らかに喧嘩慣れした連中であるのだろう。
しかし、そんな一見最悪な状況にありながら、樋田は何故か楽しそうにその白い歯をのぞかせていた。
「へははっ、いいねぇ。先に手出してくれるたぁ、猿にしちゃ気が利くじゃねぇか……!!」
髪型だけで悪ぶったつもりになっているファッションチンピラは、少し殴っただけで病院送りになるから面倒臭いことこのうえない。それに比べてこういうたくましい輩が相手ならば、こちらも後先考えず好き勝手にやることが出来る。
例えそれが無意味な八つ当たりに過ぎないことだと分かっていても、樋田は最早心の奥底より湧き起こるドス黒い衝動を抑えることは出来なかった。
「ヴラァアアアアアアアッ、歯ァ喰い縛れぇッ!!」
その悪意に満ちた醜い笑みに、かつて善と悪の狭間で揺れていた殊勝な姿は面影もない。彼はそのまま拳を岩のように硬く握り締めると、茶髪の顎を力一杯に殴りつけた。
「――――ウゥブッ」
向こうもまさか二対一の状況で、こちらが真っ向から反撃してくるとは思っていなかったのだろう。
思わず怯む残りの一人を尻目に、続いて樋田は左手で茶髪の頭を引き寄せ、その延髄に渾身の肘打ちを叩き込む。
急所への容赦無い全力の一撃に、石を打ち付けたような鈍い音が響きわたる。男は哀れに白目を剥くと、そのまま力無く大地へと崩れ落ちていった。
「……テメェ、何しやがんだゴラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!!」
そこでようやく残りの一人――――先ほどの男よりも大柄な金髪の男が、我に返ったように吠えかかる。樋田は慌てて防御の体勢へと移ろうとするが、すんでのところで間に合わない。
「ングッ……!!」
腕のガードを潜り抜けるように、金髪の拳が左の頬へ真っ直ぐに突き刺さる。直前首を振って衝撃を流しはしたものの、脳が揺れるのを避けることは出来なかった。
「……ぎひゃ、いいねぇ。あんま一方的だとテンションあがんねぇからなアアアアッッ!!」
しかしその程度の一撃で怯むような樋田ではない。彼はすぐさま体勢を立て直すと、そのままお返しとばかりに大男の鼻頭を叩き割る。
向こうも向こうで吹き出た鼻血を気にもせず殴り返してくるが、樋田と比べて明らかに暴力の入りが甘い。
金髪の一撃が樋田の肩を打てば、代わりに樋田の一撃が金髪の鳩尾を貫く。金髪の蹴りが樋田の腿を襲えば、代わりに樋田の拳が金髪の目玉を瞼の上から殴りつける。
そのまま何度か撃ち合いを繰り返せば、両者に蓄積するダメージの差は最早歴然であった。金髪の動きも悪くはないが、喧嘩以外の娯楽を知らずに育った気狂いのそれにはとても及ばない。
「こんのクソッタレがああああああああああッ!!」
一方的に嬲られ続けて、遂にその小さな脳味噌が沸騰したのだろう。金髪は獣のような雄叫びを上げると、ポケットの中から小型のナイフを取り出した。
途端にその顔からは怒りが消え、代わりに下品な余裕の笑みが広がっていく。恐らくこの男は「ナイフで脅せばどうにかなる」と、そんな薄っぺらい確信に取り憑かれているのだろう。
「オイオイ、
「うるせぇッ!! ガキが調子に乗りやがって……ブッ殺してやるッ!!」
ナイフを振り回して威嚇しながら、狂ったように怒鳴り散らす金髪。しかし刃物が登場したにも関わらず、樋田が恐怖に臆することはない。寧ろ興が冷めたとばかりに、彼の小さな瞳からは瞬く間に輝きが失われていく。
「なるほど、わぁたわぁた。テメェはこっちの方が好みなんだな」
「オイ、いきなり何言って――――……ッ!?」
樋田が懐から大振りのサバイバルナイフを取り出した途端、金髪の顔からは瞬く間に血の気が引いていった。
「オイオイ、何ビビってんだよ。まさか刺される覚悟もねぇくせに、んなモン持ち出した訳じゃあねぇんだろうなあ……?」
「こっ、こんなくだらねぇことで刃傷沙汰とかキチガイかテメェッ、下手したら怪我だけじゃ済まねぇんだぞッ!!」
額を嫌な汗でいっぱいにする金髪の顔に、最早先程までの余裕は欠けらも感じられない。思わず一歩退く男を追い詰めるように、樋田は躊躇なく更に前へ出る。
まるで男が持っている凶器など、気にもしていないような堂々とした立ち振る舞い。彼はそのまま男に詰め寄ると、その右手を掴んで自分の首元へと突きつけた。
「……それがどうした。ブッ殺すってほざいた以上は、出来んだろ?」
「だから、待てって」
「オラ、出来るモンならやってみろよ。早く刺せ。刺せつってんのが聞こえねぇのか。ビビってんじゃねぇぞ、この玉無し野郎があああああああああッ!!」
「……っ、うるせえええええええええええええええええええええええええええええッ!!」
金髪の悲鳴じみた叫びと共に、頬にズドンと鈍い痛みが走る。
右手でナイフを握ったまま、恐怖を振り払うように放たれた左腕の一撃。男は結局樋田にナイフを突き立てることは出来ず、分かりやすい顔面への殴打に逃げたのだ。
「……チッ、出来ねぇなら最初からほざくんじゃねぇよ」
口の中が切れ、仄かな鉄の味がジワリと滲む。蛇に睨まれたカエルのようになっている金髪の顔面に、樋田は痰混じりの鮮血を吐きかけると、続いて大振りのナイフをこれ見よがしに振り上げた。
「オラ、ナイフってのはこうやって刺すんだよ」
そうして一寸の躊躇もなく、男の左肩に向けてこれを力一杯に振り下ろしたのであった。
「があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!」
「……オイオイ、男の癖に突かれて喘んでじゃねぇよ、気色悪りぃ」
阿鼻叫喚の悲鳴が周囲を轟かし、金髪はまるで炙られた蛆虫のようにもがき苦しむ。
しかし、それでも樋田は暴力の手を緩めようとはしない。その肉の更に奥、骨にまで刃をつきたてようと、更にナイフを力強く押し込んでいく。
その想像を絶する激痛を前に、男が更に慟哭したのは言うまでもない。
「グッ、ガハァ……頼む、俺が悪かったッ!! だから、もうやめてくれええええええええええええええええええ!!」
「へいへい、了解了解」
情けを請われて、樋田は素直に刃を引き抜く。しかしそれは、別に彼が唐突に慈悲に目覚めたからではない。ただ単にもう脅しはこれで充分だと判断したからだ。
「そりゃあこんなモン使って痛ぶったところでなんも面白くねぇからなアッ!!」
「グハァッ……!?」
そうして樋田は拳を再び硬く握り締めると、男の顔面を力一杯に振り抜いた。続いて顎を蹴り上げ、砕けかけの鼻頭を更に叩き割り、思わずうずくまった金髪の後頭部にすかさず肘を叩き込む。
「オイッ、急所は流石に、シャレにならねぇってッ……!!」
「黙れや此畜生。糞猿が人間様に偉そうな口聞いてんじゃねえよッ!!」
そうして樋田は男の上に馬乗りになると、まるで獣が肉が貪るかのように、何度も何度も何度も何度もその顔面に拳を打ち込んでいった。
一撃のたびにベチャリベチャリと鮮血が飛び散り、時々折れた白い石ころがカラカラと虚しく足元を転がっていく。
「……へははっ、げひゃひゃひゃひゃッ!! やっぱ堪んねぇなこりゃあッ!!」
一人の人間から尊厳を奪い、その精神を完全に屈服させるこの征服感。人間の根源たる欲望が満たされていくような感覚に、樋田の肉棒は悠々といきり勃ち、溢れ出す男性ホルモンとアドナレリンで脳が快楽に溺れていく。
気に食わない野郎を好きなように嬲れば、胸に巣食うどんなドス黒い感情も綺麗さっぱりに消えてしまう。物心がついた頃からずっと、樋田可成はそうして己の精神の安定を図ってきた。
だから、今回もこれで晴れるはずなのだ。
晴への未練も後悔も自己嫌悪も、荒ぶる神経が全てを掻き消してくれる。そう信じて、樋田はまるで何かに縋るかのように拳を振るい続けた。
「……オイオイ、どうなってやがんだ」
しかし、そんな高揚感に心が騙されたのは、あくまで一時的なことであった。
普段ならばそろそろ溜飲も下がる頃合いだというのに、いくら男の鼻頭を叩き割り、顔面を踏みつけても全く心地よい気分にならない。寧ろ暴力を振るう度に、えも言われぬ虚しさだけが胸の中に募っていく。
そう己で気付いた途端、彼は自然と振り上げたその拳を下ろしていた。
「チッ、クソッタレがッ……!!」
苛立ち紛れに傍らのゴミ箱を力一杯に蹴り飛ばす。
そして最早呻き声すらあげなくなった金髪を尻目に、樋田は興醒めとばかりにその場を立ち去ろうとした。
しかし、ふと足の裏に違和感を感じ、彼はすぐにその場で立ち止まる。どうやら金髪が持っていた
「あん、なんだぁこりゃ?」
「オイ、やめろそれはッ……!!」
最初に沈められた茶髪が、虫のような声で何やらボソボソと言ってくる。樋田はこれを無視して小袋を拾い上げ、何気なしに中身を開いてみた。そして即座に心底忌々しそうに眉をひそめる。
袋の中に入っていたモノの正体は怪しげな注射器と水が入った小さなボトル、そしていかにもな白い粉末であったのだ。
「……あぁ、こないだテメェらが何しようとしてたのか大体分かった気がするわ」
「オイ、マジでそれだけは勘弁してくれッ!!」
「んだよ、豚小屋行きがそんなに怖ぇのか?」
「チゲェよバカッ!! それ全部でいくらすると思ってんだ。きっちり定価で売り切らなきゃ、元締めに殺されちまうんだよッ!!」
「へぇ、そりゃ御愁傷様なこった」
縋るような茶髪の声は当然のように無視。そうして樋田は注射器の蓋を開けると、その中に粉と水を入れて適当にかき混ぜる。これで下準備は完了、あとは血管に向けて針を突き立てるだけである。
「まぁ、よか知らねぇが多分こんなモンだろ」
「オイ、正気かオマエッ!! 一度にそんな量摂ったら廃人になるぞッ!!」
「……ハッ、訳ワカンねぇこと抜かしてんじゃねぇよ。俺ァ酒も煙草もやらねぇ主義だぜ」
何が言いたいとばかりに惚ける茶髪を尻目に、樋田は背後の金髪のもとへと歩み寄っていく。そして、その首元の動脈に躊躇なく注射器の針を突きつけた。
瞬間、こちらを見る茶髪の顔が一気に青ざめたのは態々言うまでもない。
「――――頭おかしいんじゃねえのかテメェッ!! 廃人なるつってんのが聞こえなかったのかッ!?」」
「ハッ、別にいいじゃねぇか。害獣駆除だよ害獣駆除。テメェらみてぇなクズ共を世間に放牧するより、遥かにマシな社会活動だと俺ァ思うぜ」
そう謳うように言いながら、樋田は再び注射器を天高くに掲げる。
それが人として越えてはいけない一線だということは、彼も充分に理解している。されど、そんなことは最早どうでもよかった。
どうせ自分のような小人では、理想に生きることなど出来るはずがない。
善人、或いは正義の味方。そんなモノに中途半端な未練を抱いて苦しむくらいならば、いっそのこと割り切って悪に走ってしまった方が楽に生きれるかもしれない。
それはあまりにも幼稚で短慮で自分勝手な自暴自棄だ。しかし樋田はそのとき、それでも良いと本気で考えていた。それほどまでに彼は、自分という存在に失望してしまったのだ。
「オイ、やめろよクソ野郎ッ!! そこ超えたらもう二度と戻れなくなるぞッ!!」
「……何言ってんだ、テメェ」
だからこそ背後で喚く茶髪に、樋田はこう吐き捨てる。
「――――俺ァ元から悪人だよ」
そして、まさに彼がナイフを振り下ろさんとしたその瞬間であった。
「オイ、バカなことはやめろッ!!」
突如響き渡った怒声に、樋田の手も思わず止まる。声のした方をチラリと伺うと、裏路地の向こうから一人の青年がこちらへと向かってきているのが見えた。
その聞き覚えのある声と姿に、不良少年の顔は露骨に曇っていく。
「テメェ、まさか……?」
「ガキがそんなモンに手出してんじゃねーッ!! 折角の人生台無しにしてーのかッ!?」
年齢は恐らく二十歳前後と言ったところで、下睫毛の長い垂れ目と左の泣き黒子が特徴的。背はモデルのようにスラリと高く、その身に纏う高級そうな黒のスーツが良く似合う色男。前とは違う本気の怒りの表情を浮かべながらも、面構えはやはりその生き様同様に美しい。
あの日、この男に抱いた人としての劣等感を忘れられるはずもない。
三日前に颯爽と不良達から女の子を救った正義の味方――――樋田の言うところによる『選ばれし者』の登場であった。
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