悪魔のゲーム、VR世界に取り込まれてしまった人たち。どんな秘密があるのだろうということで読み始める。
しばらくすると、タイトルがエンディングを示唆しているようなイメージが沸いて、主役及び物語の中のキャラたちの自我崩壊したあとのなにもない虚無のなかで自我を保とうとするそんなイメージに読み手も自我がなくなった世界を味わいかける。その流れもなくはないはずなのだけどきれいに作者は収めてくれました。物語世界の中で階層化している現実と自分のいる現実もまた物語を読んでいるということで階層化しているのではないのか。そのような意識世界と現実の階層化ということを意識させられます。ソフトにハードなSF世界を表現してくれていると思います。
知ってしまえば、手を出さずにはいられない、
それは誰よりも深く、 “秘密” に近づくことだから……
――“世界の新しき秩序” の名のもとに、人々を誘い
次々と行方不明者を出す、
『Novus ordo seclorm』 という奇妙なゲーム。
ステージをクリアすれば、秘密の片鱗とともに
次の謎に挑む資格を得る、当たり前のような展開。
けれど進行するにしたがって、徐々に明らかになるのは
巨大な欺瞞か、それとも大いなる “救いの手” か。
錯綜する幾多の情報が、ゲームの「プレイヤー」たちを翻弄し、
そして人間ゆえに複雑な思惑が様々に交差して、
現実と仮想世界の狭間、人々はますます混乱していく―――
……んですが、用心深い腹ペコ主人公・和己くんは、
幼馴染の新聞部の元気少女・菜月ちゃんからお惣菜パンの報酬で、
行方知れずとなった部の先輩搜索に手を貸す羽目になり、
やがて現実とは思えない異常な世界の謎解きに挑むのです。
「現実」の、世界を意識するとはどういうことなのか?
“私とあなた” は、一体どこにいるのか?
明晰かつ陰険な和己くんと、理不尽をものともしない菜月ちゃんとともに
物語を追いかけて、その謎と秘密に迫ってみてください!