第93話 パーティ4人とゲームマスター
「ところでこれから、僕達を含むゲームのプレイヤーはどうなるんだ」
「行方不明者の事後処理も含めてキャンペーンの第2弾に移行するさ」
男はそう言って何やら操作する。
背後のパネル表示が切り替わった。
『キャンペーン『Novus ordo seclorum』推進計画』
そういうタイトルの下に簡単な説明が並んでいる。
『当キャンペーンは地上移住の前段階として、計画の概要を周知するとともに問題点を早期発見するためのものです』
「それこそ10世紀以上前に説明用に作ったスライドショーさ。長いから必要部分だけを表示するよ」
画面が切り替わる。
『第2キャンペーン。
ある程度の情報感度がある層に向け、避難および移住計画の概要を仮想ゲーム方式で提示します。
○ 社会的影響、個人的な心理的影響、個人の行動その他のデータの収集・分析
○ 次段階に備えた基本情報の流布』
「これがゲーム進行中の状態だ。そしてこれは達成されたと判断した。だから本日をもって第3キャンペーンに移行した」
画面が切り替わる。
『第3キャンペーン
全ての層に向け、ゲームの存在を公開します
○ あくまで本キャンペーンまでは『ゲーム』としての公開に徹します
○ 全ての希望する層へ、『ゲーム』の仮想現実への参加を認めます
○ 『ゲーム』管理を公にするとともに第2キャンペーン等で発生した問題等の解決にあたります』
「つまりはゲームとしての存在は公開し、行方不明者については事故だったという事でにして謝罪するという訳か」
「おおむねそんな感じだね。そしてある程度このゲームの中身の情報を末端層まで広げる。今後の情報がより受け入れやすくなるようにね」
「取り敢えずこれで私達のゲームは終わり、って事ね。最後まで行ったし知り合いを含め行方不明者は戻ったし」
菜月がそうまとめる。
男は頷いた後、デスクから何か取り出した。
見ると4枚のカードだ。
「エクストラモードの最終クリア者用の特典だ。大した物では無いが受け取ってくれ」
和己が代表して受け取り、他3人に渡しながらカードを確認する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます