第56話 怖い話が流行る季節だけど
怖い話系のハッシュタグがついたツイートの内容をいろいろ見て、これも入るんかな?とおもったお話。
朝宮が三歳になるより前の話だ。他の兄弟は祖母が見ていたり、保育園にはいってるかして、その時母は朝宮のみをあやしていたらしい。
幼い朝宮が眠っていたことと、祖母が近くにいたことから、母はいったん用事でそこを離れたそうだ。五分か一〇分といったところだったんじゃないか。
戻ってくると、寝ていたはずの朝宮がいない。祖母も見ていない。そばに線路があるから、最悪の場合が恐ろしい。必死で探し回る母がふと、線路の向こう側を見たところ、自分から遠ざかる方向にてくてく歩いていく朝宮が見えたんだそうだ。もちろん、母は追いかけるのだが、奴(私)は逃げていったらしい。
兄弟はもっと幼いころからずっと、勝手に歩き回っても絶対に線路(踏切)のほうにはいかなかったそうで、私を目撃するまでの間に電車に轢かれたんじゃないかという思いがずっと離れなかったそうです。マジでごめんなさい。もちろん私に当時の記憶はないけど、ほんとごめんなさい。
そしてその頃の心臓の毛はわずか数年の間にどこへ置いてきたというんだ。
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