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その本性は
「まあ、後になって察しは付いたけどな。普通に」
一番合戦さんはつまらなそうに言った。
「優れた
一番合戦さんは右の人差し指で、とんとんとこめかみを叩いてみせた。
「……死んだ猫は九つの魂を持つ。有名な話だな。猫とはよく寝るから『
「な……」
「ん?」
一番合戦さんは、
「何で。赤猫……? 一番合戦さんが……? いや、それが本当なら、何で君は鬼討に――」
「鬼討を知ればもう二度と、人間なんかに後れを取らなくて済むだろう?」
報復。
頭の中で、勝手にその言葉が浮かぶ。
「邪魔されたとは言え、赤猫になったばかりの当時でもあれだけの力があったんだ。三六〇年後の、常時帯刀者になった今ならば、枝野の精鋭四人を本当に相手取っても、そう易々とやられる事は無いだろうさ。……枝野
「……何で去年、わざわざ案内役を引き受けてくれたの。そういうのはやるなら、委員長とかの仕事だと思うけれど」
一番合戦さんは薄く笑う。
「人間のイメージとは見た目は勿論、第一印象……だろ?」
……騙したのか。
「芝居だったんだね。出会った頃の、あの
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