第5話 それを褒める言葉が俺の頭の辞書アプリに載っていなかった

 振袖は普段とは違う可愛さがある。

 着物とも洋服とも違う第3の服と言ってもいい。

 人生で一度しか着ないドレス。

 それを褒める言葉が俺の頭の辞書アプリに載っていなかった。

「その……きれいだ」

 平凡な言葉でもかえでの紅を引いた唇がポッと開いた。

 チークの付いた頬がより紅く色付きそれもまた綺麗だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る