夜光虫

沈殿した憂いを攪拌する


青白く燃える絶望に身を任せ

過ぎ行く日々に思いを馳せる


得体の知れない脅威は

捻じ曲がるように迫りくる


憎悪のような声は

天使の歌声に変わるのだろうか


三日三晩、泣き通し

剰え心に嘘をついた日


いま、風が頬を撫でるのはその賜物


刹那的な悦びと別れ

めくれた時間を弄ぶ


あなたに似た人を見つけたけれど

涙は零れなかった


いつかまた

悲しく濡れたのち輝くのだろうか

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