冷たい花のように

冷たい花の匂い振りかざして

時折、確かめる


ぬくもりのかたまり

傍らに置いてけぼり


寂しそうにただそこに在るだけ


憂鬱な日々は遅くて速い

誰かがどこかで

リモートコントロール

制御不能に陥れたい


ありふれた名前でしょ

おどけた横顔 ふと懐かしむ


忘れがたくて去りがたい

重ねた記憶 消えない思い出


ありふれた景色

季節巡ってもそのままで

ありふれた名前

いつまでも特別なままで


最後にもう一度

呼んでみようとしてやめる


特別感が薄れないように

呼ばないままで

しばらくそっと眠らせておこう

どうか死にませんように


毎日はもどかしいのに

振り返ると思いのほか

めまぐるしく過ぎてゆく


泣いて、笑って

雨がたくさん降って、土に還る


君によく似た冬がやってくる

逢うたびに少しずつ好きになる


君によく似た悲しい冬がやってくる

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