【14】永遠の愛と友情? 摩訶不思議。
優香side
122
――年が明けて一月……。
美子が、結婚式の招待状を持ってきた。
美子は同じ銀行の
なんか……実感がわかない。
美子が結婚するなんて。
誰かの奥さんになるなんて、ピンとこない。
「優香、はい招待状。絶対に出席してね」
「わかってるよ。大親友だもの。一緒にカラオケ歌っちゃう?」
「やだ。私、新婦だよ」
「新婦か……。新妻とか、人妻とか、ちょっとエロいね」
「どこがエロいのよ。優香こそ、八歳も年上の先生と交際してるなんて、ちょっとエロいね」
「バ、バ、バカだね。私と北川先生は何もシてないから」
美子は私が矢吹君と別れて、北川先生と付き合ってることは知っている。恋の悩みはかめなしさんに打ち明けているが、やっぱり頼りになるのは幼なじみで親友の美子だ。
「そうなんだ。焦らしてるの?次は恵太かな?優香かな?どっちが先だろうね?ふふっ……」
「焦らしてないし。次は恵太だよ。恵太も招待するんでしょ?」
「うん、するよ」
「恵太の彼女、かなり強烈キャラなんだよ。ねぇ、彼女も二次会に呼ばない?」
「えっ……本気で言ってるの?優香は……恵太の元カノだよね」
「もうそんなのとっくに終わってる。ていうか、もともと始まってもいなかったんだから。美子は恵太の彼女に興味ない?逢いたくない?」
「……恵太のお見舞いにも行けなかったし、ちょっと逢いたいって思ってたんだ。いや、かなり逢いたい!」
「でしょう。彼女、可愛いんだよ。美咲さんも絶対呼ぼうよ、ねっ!」
「わかった。二人は同棲してるんだよね?招待状、連名で送るね」
「うん。うふふっ、楽しみだね!」
「優香、二次会に友達も何人か呼ぶから」
「同窓会みたいだね。二次会も楽しみだね。ワクワクするよ。カラオケ歌おう!」
私はわざと声のトーンを上げ、ハシャイで見せる。
「ねぇ、優香……」
「なぁに?」
「優香……無理してない?」
「えっ、無理なんてしてないよ」
美子の言葉に、内心ドキッとした。
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