【11】引き裂かれた純愛? 摩訶不思議。

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『優香!!見た?週刊誌!』


 一週間後……


 美子からの電話で、がわかった。


「週刊誌がどうかしたの?矢吹君が載ってるとか?」


『何、暢気なこと言ってるの!SHOCKING《ショッキング》って雑誌のゴシップ記事だよ』


「へっ?ゴシップ記事?」


『へっ?じゃないの!載ってるんだよ!!』


「私のす……っぴん!?」


『……まったく!雑誌記者に撮られるなら、せめてメイクくらいしなさいよ。不細工なんだから』


「ぶ……ぶさいくって……」


『今から、SHOCKING持って行くからね』


 不細工って、何よ。

 ちょっと美人だからって、不細工だなんて、あんまりだ。


 幼なじみだからって、もっと優しい言い方あるでしょう。


 ――数分後、チャイムが連打され、美子が玄関に飛び込む。


「ほらっ!ここ!」


 目の前に突き付けられた一冊の週刊誌。


 そこには矢吹君のマンションに二人で入る写真と、翌朝、矢吹君の愛車に乗車する写真。


 極め付けは北川動物病院の前で、サングラスを外したすっぴんの私が、車から降りた写真。


 目は隠してあるが、ノーメイクの冴えない顔がバッチリ写ってる。


 まるで、犯罪者みたい。


 掲載された写真には動物病院の名前まで写り込んでいる。


 や、やばい……。


「矢吹君は俳優デビューしたばかりだけど、テレビにも出てるし、コマーシャルにも出てるし、映画もあるし。何でもっと上手くやんないのよ。下手くそ」


 美子……怖すぎ……。


 優しいイメージが崩壊し、反論出来ないよ。


『うわ、マジで雑誌に載ってるし。美子の言う通りだぜ。この写真最悪だな。実物より不細工だし。もっと可愛い顔出来なかったのかよ』


 雑誌記者の盗み撮りに、ピースでもしろと?


 かめなしさんにまで不細工と言われ、ガックリと頭を垂れる。


 「優香、この記事を見て!俳優矢吹貴は、伝説のバンド『異世界ファンタジー』のボーカルTAKAだったって、書いてあるんだよ!」


 矢吹君が……

 異世界ファンタジーのTAKA!?

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