第16話 バージョン管理システムとの連携
・おことわり
※とても便利ですが、とても奥が深いです。
それゆえ、ちょっと難しいです。使わないかな?という方は読み飛ばし下さいませ。
※分散型バージョン管理システム、『git』の導入や使い方には触れません。
小説を書く場合、このように使えますよ?という紹介です。
導入や使い方に関しては、画像付きで丁寧に解説されているWEBサイト様が多数ございます。
そちらをご参考くださいませ。
・分散型バージョン管理システム?なにそれ?おいしいの?
※直接、執筆中の『小説』の管理に役立つ説明ではありません。
そこそこ長いので、興味のない方は下記の『で、小説書くのにどう役立つの?』までお進みください。
非常においしいと評判です。
分散型バージョン管理システムの『git』は、開発中のソフトウェアを一元管理してくれるシステムです。チームで開発するときに助かります。
超ざっくり説明しますと、
まず、開発するソフトウェアのオリジナル(以下、『共有リポジトリ』)を、チームのみんながアクセスできるコンピュータ(以下、『サーバ』)に作ります。
その共有リポジトリを、みんなが直接、別々に作業しちゃうと"しっちゃかめっちゃか"になっちゃいます。
なので、それぞれが自分の仕事をするPC(以下、『ローカル』)に共有リポジトリを丸ごとコピー(以下、『クローン』)してきます。
ローカルにクローンしてきたものを『作業ディレクトリ』とよびます。
開発者さんは作業ディレクトリ内で自分の割り当て分を進めてていきます。進めた分を作業ディレクトリ内に記録(以下、『コミット』)すると、そのたびに現行のデータとは別に過去データ(変更履歴)をコッソリ隠して記録してくれます。
この過去データは、「あれ、新しく変更したら今まで動いていたものが変になったぞ?」というときに役立ちます。過去データと差異を比較したり、過去データに差し戻したりできます。
仕事がひと段落したので、自分の作業ディレクトリにコミットしたモノを共有リポジトリに反映(以下、プッシュ)させます。この時、共有リポジトリにある変更履歴とプッシュされてきたモノの変更箇所が被ってないか、監視してくれたりもします。両方に変更があった場合、「どっちが正しいの?」と聞いてくれます。…チームで開発していたら、いろいろありますもの。
さて、休憩が終わったので作業再開です。共有リポジトリには他の開発者さんがプッシュしたモノもあるので、最新のモノを自分の作業ディレクトリに取り込み(以下、プル)ます。
で、作ってはコミットしてプッシュして。またプルしてきて…とソフトウェア開発の一元管理をしてくれるモノが分散型バージョン管理システムです。
プロジェクトが大きく、複雑になるほど重要性がいや増します。
ここで紹介した機能は、ごくごく基本的なものだけです。なんせ、奥が深すぎるので…興味のある方はぜひ調べてみてください。そしてわかりやすく私に教えてくださいませ、お願いします<(_ _)>
・で、小説書くのにどう役立つの?
改稿しても、過去データを記録して管理してくれるから、推敲とかに便利!
変更箇所も色分けして教えてくれるよ!
※『分散型バージョン管理システム?なにそれ?おいしいの?』を読み飛ばした方への超!ザックリ用語解説。
git : 今回対象となる分散型バージョン管理システムの名前。
便利なのに無料で使えます。
共有リポジトリ : ネットワーク上のサーバーと呼ばれるコンピューターに
置いてある開発中のソフトウェアのオリジナル。
(もっというとオリジナルの状態を記録する場所)
実は、Dropboxなどのオンラインストレージの中に
作れたりします。
ローカル : 個人で直接使用するPCのこと。
プッシュ : ローカルで更新した内容を共有リポジトリに反映させること。
プル : 共有リポジトリの内容をローカルに取り込むこと。
gitを用いると、小説の変更履歴を管理できます。
具体的には、原稿を改稿するときに、改稿前の過去データを記録して管理してくれます。
gitがなければ、ご自身でバックアップを取らなければなりません。改稿のたびにバックアップを取っていれば、ファイル数が膨れ上がってしまい、管理が非常に面倒です。
しかし、gitがあれば、その面倒を代わりに引き受けてくれます。執筆に集中できますね。
しかも、現行のデータと過去のデータを比較して差異を色分けして教えてくれます。
推敲などに便利かも知れないですね?
現行データが気に入らなければ、過去データに差し戻すこともできます。
また、共有リポジトリをDropboxなどオンラインストレージに置いておけば、もし、ローカルが壊れちゃってもせっかく執筆した小説の全滅を免れることができますね。
作者様個人で使っても便利なgitですが、チームで使ってこそ真価を発揮するシステムです。
なので無理矢理チームで執筆するシチュエーションを考えてみました(笑)
シェアワールドノベルやリレー小説以外で複数人で執筆するとしたら、相手は誰でしょうか?
そう!編集者様です。
もちろん、顔を突き合わせての打ち合わせもとても大切なのでしょうが、細かい改稿などのやり取りにはとても有用だと思います。
進捗確認も一目瞭然ですしね(笑)
差分表示ができるので、改稿場所もすぐわかりますし、うまくルールを決めて運用できれば赤入れなどもできそうです。
時は金なりですし、下手にデータを持ち出して出版前にデータが流出した!みたいリスクが回避できるかもしれません。
スマホやタブレットで出先から確認できるところも便利ですよね。もちろん、きちんとした運用と管理が前提ですが。
海外の作家様や出版社様と、gitとスカイプを使用して打ち合わせ、なんてできちゃうかもしれませんね!
『カクヨム』さんに参加されている編集部様、いかがでしょうか(笑)
『Atom』
パッケージを追加しなくても連携できます。
可能な操作は大体、コミット・直前のコミットの取り消し・プッシュ。過去データとの差分表示のようです。
『git-time-machine』というパッケージを追加すれば、コミットした過去データを簡単に時系列の沿って確認することができます。
他にもパッケージを追加すれば、いろいろできそうです。
パッケージ
・git-time-machine
設定変更
・必要なし
キーボード操作(ショートカットキー)
・ctrl + shift + 9 (git)
・Alt + T (git time machine)
『Brackets』
パッケージを追加すれば連携できます。
可能な操作は大体、コミット・直前のコミットの取り消し・プッシュ・プル・過去データとの差分表示や過去データの表示ようです。
ただ、過去データやその差分の日本語がスカラー値で表示…アルファベットと数字で表示されてしまいます。なので読めません。本当に惜しい…
拡張機能(エクステンション)
・Brackets Git
設定変更
・必要なし
キーボード操作(ショートカットキー)
・ctrl + Alt + G (BracketsーGitパネル)
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