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「なんだ……どうした……」



リヌクは、急に振り動かされたので、あわてふためいた。



「外で火が上がっている」



「なんだと?」リヌクは、窓のところまで駆け寄って外を見た。



家は、燃え盛る炎に包まれている。



「急いで、外へ出るんだ!」



二人が家の出口まで来ると、もうその先は火の海だった。



リヌクとパドスは、飲み水として用意していた桶の水をそれぞれかぶり、一枚の上着を二人で一緒にかぶって、炎のなかに突っ込んだ。



二人が火のなかから出てきたときには、上着に火がつき、燃え上がっていた。



リヌクは、その上着を捨てて、ほかに火がついている箇所がないか確認した。



「あれは……」リヌクは、呆然と空を見上げながら言った。



上空には全身火がついた鳥が飛んでいた。

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