55

その音に反応して、リヌクが起き上がった。



その鳥は、パドスめがけて突進してきた。パドスが、さっと避けると、その鳥は、目標を失い、壁に激突してそのまま床に落ちた。



その鳥の顔を見ると、何と人間の顔をしている。人間と一つ違う点は、大きなくちばしが付いていることだ。



顔以外は、鳥と同じで、白く大きな翼が付いている。



「ウォーターバードだ!」リヌクが叫んだ。



リヌクは、床に落ちた鳥を見ると、すぐさまその鳥に飛びかかっていった。



馬乗りになると、鳥の顔を何度も殴った。



殴られるたびにウォーターバードのくちばしは床に叩きつけられた。



鳥は動かなくなった。



どうやら気絶したようだ。



「パドス、ロープを持ってきてくれ」リヌクは、ウォーターバードの首を押さえながら言った。



パドスがラバの近くにある荷車からロープを持ってくると、リヌクは、それを使ってウォーターバードの体を縛った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る