52

「 みんな死んでる!」リヌクは、ひどく取り乱し、近くにあった石や家財道具をあちらこちらに投げ飛ばした。



「リヌク……」とパドスが声をかけて青い光の方へ近づこうとした。



「来るな!」そう言いながら、リヌクは、激しく咳き込んだ。



しばらくすると、リヌクの咳も治まり、部屋は静かになった。



「パドス」ランプの光に照らされた薄暗い部屋の中で、リヌクの低い声が聞こえる。



「なんだよ?」



「今日はここに泊まる。ラバの荷物にビスケットが入っている。すまないがとってきてくれないか」



この家には部屋が二つあった。



その一つの部屋は、今彼らがいる骸骨のある部屋だが、別の部屋には骸骨はない。



リヌクとパドスは、その別の部屋でビスケットを食べ終えた後、寝る準備をした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る