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その途中で、リヌクは何度も咳き込んでいた。



気づいたときには、もうあと数時間で日が落ちるという時間だった。



谷を抜けても、リヌクは歩く足を止めようとはしなかった。



さらに一時間ほど歩くとと地面にも変化が現れ、土に砂が混じるようになった。そこで、リヌクは立ち止まった。



「ここから先は砂漠になる。それほど大きな砂漠ではない。半日も歩けば砂漠をぬけて、そこから少し歩けば次の街に行ける」



リヌクは、遠くを指差して言った。



「もう少しなんだね」



パドスは、目を輝かせた。



「いや、車を引いてこの砂漠を歩くことはできない」



「えっ?それじゃ……」



「迂回するしかない」



「迂回……」パドスは、リヌクが何を言っているのかよく理解できなかった。

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