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その叫び声は、まるで地の底から聞こえてくるような声だった。
あらゆる感情が複雑に混じり合ってでたものだろう。
そのあと、リヌクは何を思ったのか荷車を力いっぱい両手でつかみ力一杯押した。
それは極めて乱暴な扱い方だった。
「こんな荷車があるからいけないのだ。これがなければ楽に進むことができるのに!」
リヌクは、大声で息巻いた。
パドスは、その様子をただ後ろから見守っているだけだった。
「こんなもの!」
リヌクは、ラバから荷車の柄をはずし始めていた。
「あっ! なにをしてるんだ!」
パドスは、それを見て思わず声を上げて、すぐさまリヌクのところまで駆け寄っていって、リヌクの体にしがみついた。
「放せ!!」と言って、リヌクは、しがみついてきたパドスの体を思い切り押した。
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