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「リヌク!」



パドスは、そう叫びながらリヌクのところに駆け寄った。



リヌクは、倒れながらもがいていた。



「大丈夫?」と、パドスは声をかけた。



「大丈夫だ。だが、このベトベトしたものを何とかせねば。このままだと体が溶けてしまいそうだ」



そう言いながら、リヌクは手袋や服を脱ぎ始めた。



スライムの液体は、彼の首筋から顔にかけて、衣類に覆われていない肌の部分にも付着していたが、その肌は赤くただれていた。



リヌクは、パンツ一丁になると、脱いだ服を持って谷の小川まで駆け出していった。



パドスは、小さくなっていくリヌクの姿を、ただ見つめているだけだった。



ひとりで何もない田舎の暮らしをしていたパドスにとって、このようなリヌクの行動はもとより、そこで赤くなって死んでいるスライムなどの怪物もなじみがないものだった。



三十分ほどすると、リヌクが帰ってきた。



手には小川で洗った服を持っている。

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