第36話 旅立ち 22

リヌクは、再び岩を注意深く見て、「なにか感じないか?」



とパドスに訊いた。



「おいらは別に何も感じないけど。何かあるの?」



「風が違う」



リヌクは、長年の経験から風の異変に気づいていた。



再び谷の合間を駆け抜ける風が吹いてきた。



風が止まると、リヌクは岩場のある一点を指差し、「あそこにいる」と言って、その場所を険しい目でにらみつけた。



パドスも、その方角を見てみたが、岩ばかりでなにもないようだ。



「岩しか見えないよ」



「いや、あれは岩ではない」



よく見ると、岩の一つがかすかに揺れているような気がした。



「岩のようだが、あれはスライムだ」リヌクは鋭い目でその場所を見ている。



「スライム?」

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