第34話 旅立ち 20

その勢いで、持っていた巻物は、手からすっぽりと抜けて、空中でくるくると繰り広がりながら地面に落ちた。



「とんでもない猫だ!」リヌクは、パドスのもとに近寄っていくリルを見ながら言った。



そして、地面に落ちて広がった、巻物を拾って、砂埃を落とした。



巻物の地図には、大きな大陸が左右に二つ描かれている。



「よいか、パドス。この地図を見なさい。この世界には西と東に二つの大陸がある。東側の大陸が、私たちが今いるところだ」さらに、地図の右側に描かれた大陸の北の部分を指差した。



「ここが私たちがいるところだ。われわれが次に行くところは、ここから少し南にある」と、指を少し南に移動させた。



リヌクが、ふとパドスに目を移すと、パドスはいびきをかいて眠ってしまっていた。



横を向いて寝ているパドスの胸のところに、リルも一緒に添い寝して、同じようにいびきをかいている。



もはや、地図を広げて説明する意味もないと感じたリヌクは、地図を巻いて、不機嫌そうにラバのところまで歩いていった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます