33

リルは、しばらく消えていたが、ずっとラバの後ろの荷車のなかにいたのだ。



リルは荷車から飛び降りて、地面を歩いて暗闇のなかから姿を現した。



その毛は、リヌクが最初に見たときよりも、さらに紫色になっている。



また、どことなく様子もおかしかった。



しきりに首をひねっている。



リルは、口に何かをくわえていた。



よく見てみると、その口にくわえたものはくねくねと動いている。



それは、太い紐のようだった。



焚き火の火がリルをはっきりと照らし出したとき、その生き物が蛇だということが分かった。



しかも、普通の蛇ではない。オレンジや緑などの派手な色や模様がついてる毒蛇だった。



リルは、その毒蛇をリヌクの前でさっと放して、自分は遠くに離れた。



解放されて怒り狂ったように獰猛になった毒蛇は、シューという音を出している。



リヌクはいやな予感がしていた。



蛇はくるりと三角の頭をリヌクのほうへ向けると、凄まじい勢いでリヌクに襲いかかってきた。



リヌクは、すれすれのところで、毒蛇の牙からするりと身をかわした。

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