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だが、パドスの表情はまったく変わっていなかった。



正直、まったく興味がなさそうだった。



「見たいか?」リヌクは、気を引くためにもう一度同じ質問を投げかけた。



そして、先ほどよりももう少しだけ巻物を広げて見せた。



巻物の一部が見えてくると、パドスも、その部分に視線を移した。



そして、パドスの視線が巻物の一点に落ち着いたと思われるとき、リヌクはさっと巻物を閉じた。



「ヒッヒッヒッ」リヌクは、いたずら好きの子供のような表情で笑って、「見せてあげない」とおどけたしぐさをした。



パドスは、無言の冷たい視線を投げかけた。



そのとき、ギューラと妙な鳴き声が聞こえてきた。



猫のリルの鳴き声である。

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