31

リヌクも煮えたぎっている大豆の缶の中に直接塩と胡椒をたくさん入れて、スプーンでかき混ぜた。



二人は、何も話さずに、ひたすら大豆を胃のなかにつめこんだ。



そして、食べるものがなくなったとき、パドスは缶を地面に置いた。



「パドス、よその土地にいったことはあるかね?」



「ない」



「それじゃ、この世界の地図を見たことは?」



「ない」



このとき、リヌクも皿を石の上に置いた。



「見せてあげよう」

リヌクは、岩につないだラバのところまで歩いていき、そこから羊皮紙の巻物を得意気な顔で持ってきた。



「見たいか?」と言って、巻物を少しだけ開いて見せた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます