インプット。

たくさんの雑多な思い出たちを閉じ込め

こころのうちにインプットしてきたけれど

その中にひと欠片のちゃちな理想があり

いまの僕を象る重大な要素になっていても

それが本心なのかは正直な所わからない

嘘も本当もすべて呑み込んだいまだから


もう嫌いだと世界を何度疎んだだろうか

そのたびに君が「大丈夫」と手を取って

一緒に前へと進むことを肯定してくれた

そのささやかでありがたすぎる思いやりに

嘘をついている僕を自己嫌悪する日々も

もはや当たり前になりつつあると気づいた


崩れそうになった脳みそにインプットした

ちっぽけで情けない理想の未来図さえも

僕は君の優しさで肯定できていたから

そんな日々が少しでも続けばと思った

つまりは恐れていたのだろうとも思うのだ

この平凡で怠惰な日々が終わることを


夜は僕を包んで囚人に仕立て上げるけれど

騙せないものを失った僕にはお似あいだ

嘘をつくことでしか自分を維持できずに

こころのうちに刻みつけた本心を明かせず

僕の中にはいつでも葛藤ばかりがあった

蝕まれた僕の思いはなにを望んだのか


呆れ返ってしまうような僕が救われるなら

その前に小さな理想のインプットから

すべてを覆して壊してやりたいと思った

乱反射するヒカリを湛えた理想の姿は

インプットされた時からなにも変わらずに

僕を苦しめて同時に恍惚を味あわせるのだ

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