「ザ・外道音頭」シリーズ

ドン!


「おう、土下座だ!」「しろ!」「コラッ!」


役者、悔しく――、やつら殺した。    


          『ザ・外道音頭』


(どんおうどげざたしろこらつやくしやくやしくやつらころしたざげどうおんど)


【解説】しがない役者が歩いていると、ヤクザ者に肩がぶつかった。そして――。男の生き様を描く「ザ・外道音頭」は全国東映系映画館で来春公開!




「指つめ、止め!」ツビュ!


(ゆびつめやめつびゆ)


【解説】兄貴が指を詰める覚悟で刃物を当てた瞬間、親分が飛び込んできて「指つめ、止め!」と叫んだ。しかし「ツビュ!」という音と共に……。アウトロー映画の金字塔「ザ・外道音頭」シリーズの一場面である。




「行かせな!」「では……」戸板康二が辞す、屋台と派手な世界


(いかせなではといたやすじがじすやたいとはでなせかい)


 【解説】戸板康二は歌舞伎の批評や随筆で知られており、推理小説を書いた直木賞作家でもある。

 派手な世界の大物に誘われて屋台で飲んでいたが、早々に辞すことに……。

「てめえ、親分に朝まで付きあって飲まんかい!」「ま、行かせてやんな!」みたいな一幕。




「たけしは弾が飛び出る手品してるで。人がまた弾けた……」


(たけしはたまがとひてるてしなしてるてひとがまたはしけた)


【解説】コノヤロー!誰かが関西弁で、北野武監督「アウトレイジ 最終章」の感想を言ってるらしいぞ、バカヤロー!




 昨夜、ガス代出すが……ヤクザ。


【解説】昨夜、あの人がとうとうガス代を払ってくれた。でも、ヤクザだった。




「げ!」「蟹や!」「う……」碌な物もなく、牢屋に影


(げかにやうろくなものもなくろうやにかげ)


【解説】三人の無口な囚人の会話である。貧寒とした牢屋であり、蟹が這い回る床には鉄格子の影が落ちている。




「わい、白滝で!」「ま、ひとつ、ちゃんこ鍋食べな。――今夜ちっと暇、できたらしいわ」


(わいしらたきでまひとつちやんこなべたべなこんやちつとひまできたらしいわ)


【解説】厳しい上下関係を思わせるやり取りである。遠慮して白滝のみを食べようとする男がおり、仲介する人物は誰か(重要人物)に暇ができたから、ちゃんこ鍋を食べるよう勧める。


 


「おのれ等、爺め」「取れや!」

「ワイか……?」

極道ら、貰う「独語会話」!

「殺れ、と命じられのォ……」


(おのれらじいめとれやわいかごくどうらもらうどくごかいわやれとめいじられのお)


【解説】このご時勢では、年配の極道に居場所はない。「爺」呼ばわりされ、「独語会話」の本を受けとらされ、ドイツ人の暗殺を命じられる羽目になった老いぼれ極道らに、明日はあるのか……?「ザ・外道音頭」シリーズ後期の一場面である。

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