レトリックに関して

 これの技術的な面の説明は、前ページでも紹介しましたこちら(↓)で。

  https://kakuyomu.jp/works/1177354054883758297

 『文章表現の幅を広げる「レトリック講座」』板野かも氏


 リンク貼った方が早いバアイはリンクに頼る方針。私はまぁようやっと中級者に髭生えた程度の実力しかないんで、氏のような理解はまったく出来てません部分です。

 細かな分類とかは解かってなくても、氏の仰るよーに誰でも日常的に使ってる事柄なんで、使えるっちゃー使えるわけですけどね。解かって使うのと、野生で使うのでは洗練度が違ってきますわな。野生では100%センスでしか威力を発揮できないとこを、ちゃんとリクツを学んだ上で使えば、センスが足りん分も補える、と。

 なので、詳しくはコレ(↑)読んでくだされ、としか。(笑



 んで、ここではリクツだけ捕捉しておこうかなと思います。



レトリック習作:

『ビルの谷間に投げ出された完熟のトマトは、己の意に反して綺麗な放物線など描くことはなかった。父親ヤツの人生と同じだ。』(2023,3,11改稿部分)

 これが暗喩というヤツですね、解からんヒトは上記の講座を読んでくれさい。


 これも好みの問題です。暗喩を大量に使うと、私の価値観でいえば、とっても素敵な文章になるのですが、それはちょっとワイン通とかチェスを嗜むセレブ層にも似た、鼻に付く文体とも言えてしまうのですね。


 いわゆるようなものなので、「スカしやがって、」と思う人も出てくるわけです。そう思った人は敏感ですよ、ワイン通とかグルメとかが醸し出す「うーん、この芳醇な香り……」とかいう空気を感じ取ったわけですから。


 もう、そういうフェティシュとでも思っといてくれたら、お互い平和でいられるのにねぇ。(ワイン通を気取ってなにがアカンのや…)


 この単なる嗜好の違いを、「スカしやがって、」の悪感情をね、オブラートに包み隠して、「シンプルな文章のが読みやすい、」とかと言い換えてこちらに喧嘩を売ってくるヒトなんかも居るわけです。素直に「スカしやがって、」と言えばいいのにね。食通の品評会的空気感、嫌いだという嗜好ももちろんあるでしょうに。


 しかし、この隠喩というのはちょっと注意も必要でして。

 ジャンルによっては本当に使わん方が良かったりするのです。


 そう……「ミステリ」なんかは特にね。


 なんでかってと、ほら、ミステリは謎解き要素があるっしょ、読者は一文一語がヒントだと思って読んでるから、こういう紛らわしい書き方が一番嫌いなんよ。これが大量に出てきてごらんよ、キレるよ?(それでなくとも叙述トリックとかを警戒して神経尖らせて読んでるヒトばっかなのに…)


 ミステリでこんな装飾品がゴテゴテとくっ付いた文章はあんまり見ないと思います。ミステリクラスタは文章の罠とかにも敏感なので、もし修辞をやるとしても、ちゃんとトリックに組み込まねばフェアとは言えなくなるんでね。(なので、はっきりと比喩であることを示している直喩が多く使われます)


 ミステリにとっては「装飾品がゴテゴテ」でも、文学にとっては「見事な修辞技法が駆使され」になるわけです。読者層の価値観が違うからね。


 作品同士の比較は特に難しくてですね、ジャンルを跨いだ作品同士だったりすると測るモノサシまで違ってたりするんで、一概に文章力で優劣なんざつきませんわ。


 そういった事柄を上記講座の捕捉として付け足して、改めてご紹介しときます。

 (レトリックが光るのはやっぱ文学系だと思うの…)



 これに関しては、ファッションを喩えれば解かりやすいですかね。シンプルで機能的なスポーティファッションが好きな人も居れば、ゴスロリファッションが至高って人も居るでしょう、界隈では色んなファッションが当たり前に受け入れられてるけどね、スポーティな格好ばかりが闊歩してるのがWeb小説界隈で、そこへゴシック調バリバリのが混じってきたら奇異と感じるでしょうよ、そういうことです。(極められたゴシックファッション、めちゃくちゃ格好良いけどね。)


 ゴシック、といえば『アンダーワールド』ですね! めっちゃ格好良いです!



 先に、野生だと100%センス頼みだから、と書いたと思いますが、このセンスという点でもゴシックとスポーティで考えると解かりやすいですね。スポーティでのバランスの悪さってシンプルゆえに割とはっきり解かりやすいけど、ゴシックのバランスの機微ってのは微妙なトコで左右されたりするんで、着合わせが難しいのですよ。だから、レトリックに関しても「上級者向け」と考えといた方がいいです。

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