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 あれ? おかしいな? もう全部、出ちゃったと思ったんだけどな。これ全部私の涙? こんなにいっぱい溜まってたんだ。どうりでいつもあんなに頭が重いわけだね。肩があんなにこるわけだよね。本当にもう。信じられない。ふふ。すごい。すごいよ。夏。(止まらない、全然止まらないよ)

 頭がとても軽くなる。(体も軽い。背中に二つの大きな羽が生えたみたい)

 すごい。ばかみたい。こんなにいっぱい溜まってたんだ。私の涙。私の悲しみ。私は泣くことができないんだって、思い込んでただけなんだ。(こんなに上手に泣けるのにね)ちゃんと涙は流れる。涙はあったよ。(見つけたよ)

 それもこんなにいっぱい。あったかい。冷たくない。ちゃんと熱を持っている私の中から溢れ出した水。よかった。私は人だ。よかった。ねえ夏。褒めて。私は人だったよ。夏、私、人間だったよ。ちゃんと生きてた。命を持った生物だったよ。よかった。本当に嬉しい……。最後にそれが確認できて、本当によかった。

 遥はベットから移動して、次の行動を開始する。

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