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 ……とても怖い。一人が怖い。なんで私はこんな場所に生まれたんだろう? そんなことを夏は思う。世界中に敵がいて、怖くて気軽に外に出かけることだって、できやしない。……ねえ、遥。命ってなに? 愛ってなんなの? わかんない。わかんないよ。私、もうなにもかもが全然わかんなくなっちゃったよ。私どうしたのかな? 私、もしかして壊れちゃったのかな? 

 夏の目に涙があふれてくる。体は震える。できるだけ、小さく、丸くなる。それはいつもの防御の姿勢。誰も夏を助けてくれない。夏はいつも我慢するだけ。嵐が過ぎるまで。雷が鳴り止むまで。きっと私には一生理解することはできない。私はなにもかもを理解できないまま生まれて、なにもかもを理解できないまま不自由に生きて、なにもかもを理解できないまま、理由もなく死んでいく。そう、私は死ぬ。瀬戸夏は死ぬんだ。……いつか、どこかで、必ず、死ぬ。私は死ぬ。……お母様と同じように。きっと自分で自分の頭を撃ち抜いて、私は死ぬんだ。(これは呪い? ううん、違う。それはきっと願い。もしその願いがかなったら、そしたら、私は自由になれるのかな?)


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