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「どうしたの夏? クリスマスパーティーするんじゃないの?」

「ねえ、遥。照子は呼ばなくていいの? 誕生日だしさ、みんなで食事したいでしょ?」夏は遥に照子のことを質問する。

「ありがとう、夏」そう言って遥はにっこりと笑う。(まるでお母さんの顔だ)

「でも、照子はいいの。もともと、クリスマスも照子のお誕生日もお祝いするつもりなんてなかったの。今日の晩ご飯のケーキは、夏が照子の誕生日をお祝いしてくれたからこそのお礼なんだよ。……それに、『照子の誕生日のお祝い』は、あとで私がちゃんとするから。だから照子のことは気にしないで」

 遥はそう受け答えしながら二つのカップに湯気の立つボトルから飲み物を注いでいる。カップの中を覗き込んで確認してみると、どうやら今晩の飲み物はコーヒーではなくホットココアのようだった。

「でも一人じゃ寂しいんじゃないかな?」夏は言う。ドアの向こう側にある気配は消えていない。確かに『なにか』が、……そこにいる。

「大丈夫。それよりも食事でしょ? せっかく温めた料理がまたさめちゃうよ?」遥はざわとらしく眉間にしわを寄せて、困ったような顔をして、夏を見る。

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