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まずはせっかく着替えたばかりだけど、青色のパジャマを脱いでもう一度学園の制服と青色のジャージに着替えをする。それからリュックサックの中から白いマフラーとぽんぽんのついた白い毛糸の帽子を取り出して、先に毛糸の帽子を頭にかぶる。
予報では今日の天気は雪だった。もう地上では雪が降り出しているだろう。きっと外はとても寒いんだろうな。そんなことを思いながら夏は白色のマフラーを首に巻く。
このマフラーは夏が学園の冬季の間、登下校のときにずっと使っていたものだった。遥と一緒に選んで購入したお揃いのマフラー。このマフラーには遥との思い出がいっぱい詰まっている。
外出用の服に着替えをした遥は部屋の隅にあるクローゼットの中から赤いダッフルコートと真っ白なマフラーを取り出した。
その身に覚えのあるマフラーの形に夏の視線が一瞬止まる。
遥は赤いダッフルコートと真っ白なマフラーを身につける。その遥の姿を見て、夏は自分もコートを持ってくればよかったと思った。夏の愛用している白いふかふかのコートは今も実家のクローゼットの中にある。夏は辺境という地方をちょっとだけなめていた。余計な荷物になるし、ジャージもあるから必要ないと思っていた。今にして思えば、世間知らずにもほどがある。もっともコートが一枚増えただけで、なにかが変わるというわけでもないのだけど……。
夏の格好は相変わらずいつもと代わり映えしないけれど、遥が着替えをした服はお風呂に入る前に着ていた服とは違う服だった。夏はそれが羨ましかった。
遥は最後に、薄手の毛皮の手袋を両手につける。それを確認して夏もリュックサックの中から毛糸の手袋を取り出してそれを両手に装着した。
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