第2話 からあげクンを食べながら

「お客さまよ、お前みたいな若者ならまだいいが、年を取ってから揚げ物ばかり食ってるとすぐに腹が出てくるぞ。二十六歳くらいからが大変だ、今のうちから覚悟しておけ、体型維持の努力をおこたるな」


『Sprinter Mk₋2』スプリンター マークツーは尊大な態度でそう言った。

俺がからあげクンを食べている間に。


「年を取ったら、まあ―――」


そのうち考えるよ、と適当に返す俺。

ていうか、なんで機械にこんなことを言われなければいけないのか。

体型維持の努力を怠るなって?

あなたはあるかよ、体型維持の努力をしたことが。


「いいか若者よ。最近では揚げ物の油などよりも炭水化物の方がむしろ太るとかいう話もあるにはあるのだが、どっちにしろ好きなモノだけ食べている自堕落な連中が、体型を維持できる道理はない」


「………でも美味しいよ、からあげクン」


彼は―――『Sprinter Mk₋2』スプリンター マークツーは、しばし黙る


黙考する。


「―――老村ろうそんといったか、其方そなた、いい奴だな」


そなたと来たか。

最新型のくせに古風な奴だ。

金属製でありながら飛行用に軽量化された彼のボディは、ワイヤーのような細い部位が複雑に存在している。

彼と呼んでいいのかわからないが。


彼の。

そのワイヤー。

張り詰めた弓の震えるつるを思わせる。

そのさきによく似た、其方の横顔。


………横顔があるようには見えないがけれどね。


「老村よ、横顔どころか、ワタシには顔がない」


「………まあ、そうだね」


「申し訳ない、仕様なのだ、これが私の生産時の―――」


「いや、いいよ」


「あとワタシはコンビニのドローンなのだが、ぶっちゃけからあげクンよりケンタッキーの方が美味いと思う」


「別にぶっちゃけなくても」

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最新型ドローン SprinterMk₋2 時流話説 @46377677

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