　少女は死にたかった

　少年は生きたかった

　少女は「命をあげるわ」と笑った

　少年は「これのこと？」と言った

　少女は「アイアンメイデンよ」と教えた

　少年は「カニバリズムだね？」と呟いた

　少女は「そうかもしれない」と空を仰いだ

　少年は「それでいいのか？」と問い掛ける

　少女は「いいわ」と答える

　少年は「そうか」と俯（うつむ）いた

　少女はアイアンメイデンの中に

　少年に流れる血となって消えた

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