第57話 問いと答え ーQ&Aー
そっかアヤカシってのはたくさんの人のイメージで
まさに想いの力だ。
プラス思考でもマイナス思考でも……あっ、それが「希力」と「負力」だっけ。
……ということは項目三から考えると昨日はバッハの絵に負力が入ったってことになるのか。
あの感じなら静的な負力だろうな。
人体模型もヴェートベンも静的な負力っぽいな。
モナリザは絶対に動的な負力が入ってるよな~!?
ガバ!!
って襲ってくるとこなんて憎悪満載じゃん!!
七不思議ってのは大まかな括りでうちの七不思議はこれです、ってのはあまり関係ないって校長の言葉を考えると、学校の七不思議になるようなものならどれもがアヤカシになる可能性があるってことだよな。
理解してきたぞ。
学校の怪談のパターンに鋳型は必要ないんだから、もともと学校にある物に負力が入るってことだよな。
あっ!?
だから「
下手すると二階や三階でも物に負力さえ入ればアヤカシが生まれてしまう。
校長のいってた――やはりそういう場所には
という点を考えれば四階にアヤカシが出るのは当たり前だ。
だからこそのあの
さらに理解が深まってく。
死者のことがもう反映されてるし、ここ二日で調べたとはさすが解析部というか当局!!
ブラックアウトした死者は上級アヤカシか……怖えー。
けど死者は排他的アヤカシって種類だから、他に特別な方法があったのかもしれない。
今のところ悪魔とは関わり合いはなさそうだな。
……ん? でも俺の転校初日に九久津が召喚憑依させてた夢魔って悪魔じゃないのか? まさか危ない橋を渡ってんじゃないだろうな……?
ホワイトアップとブラックアウトって宇宙までいくのかよ!?
さすがに宇宙は関係ないか。
まあ、俺もむかしからちょいちょいUFOは見るけど。
この資料はすごいタメになった。
ひとりでもまあまあ理解できたな。
俺って飲み込みが早い……いや違う……知らないけど知ってるような。
いや知ってた? なにかがデジャブ……? 俺が資料を閉じると九久津はタイミングよく声をかけてきた。
「沙田。読み終わった?」
「ああ、読破した」
「チャットする?」
「いや、だいたい理解できた」
「えっ、アヤカシの起源を読んだんだろ?」
九久津がずいぶんと驚いてる。
そこまで驚くことか?
「そうだよ」
「あの内容を理解できたって?」
「ああ。なんかどっかで聞いたことある内容が多かったから。きっと校長としたふつうの会話が記憶に残ってたんだと思う」
「そ、そっか」
あれっ、九久津なんか納得してないって顔してる。
「なあ、九久津。俺の転校初日に夢魔ってのを憑依させてたよな?」
「ああ」
あっ、これも聞かれたらヤバい……けど、質問はひとつだし、それに憑依とかって話を聞かれても
漫画とかの話くらいにしか思わないだろう。
「あれって悪魔を召喚したのか?」
「夢魔ってのは厳密には悪魔じゃないから。魔属性で
九久津も簡単に答えた。
俺と同じ考えなのかもしれない。
悪魔が憑依するってどう考えても現実離れしすぎだ、それがゲームかアニメの話をしてると変換すればどうだ。
男子高校生がそんな話しててもなんの違和感もない。
「あっ、そうなんだ。安心した」
「あっ、ああ」
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