侵略してイイノ?11話 悪あがき

悪あがき


神社のある丘から降りていく途中にも、MABMが現れて、音波による攻撃を行ってきたが、その度、音のサモンエッグで、セイレーンを召喚、彼女たちによって動きを止めてもらい、先に進んでいく。しかし、遠くから、鉄の柱が飛んで来ているのが見えた。私は急ぎ、金のサモンエッグを取り出して、その鉄を贄する体制に入る。そしてサモンエッグを前に構え鉄の棒を吸収させ、ハンマーを召喚。しかし音によって遠くから飛んできているのは分かったが、その方向を見ても、人影が見えない。そしてどの距離から飛んできたかは分からない。

「成程、あなたの武器は属性の物をぶつけることによって物を召喚する卵ですか。興味深いです。ですがリンに勝てる道理はありません」

その言葉と共に、後ろからだろうと思われる、攻撃を受けた。横腹にも攻撃は当たり、私は吹き飛ばされ、動けなくなった。痛い! とても痛い、骨は大丈夫そうだけど、もう動けない、痛すぎる。そこに追い打ちを掛けるように、彼女は私の腹に足を置き、

「あなたはここで終わりです。勝てる道理はありません」

とヴァイオリンのようなものを構える。ああ、私此処で終わるんだ。私は絶望の中、冷静な気持ちでいた。死んだらどうなるんだろうお父さんとお母さんに会えるのかな……、死にたくないなぁ……そんなことを考え、最後にサモンエッグを探っている。土のサモンエッグを落とし、下のアスファルトを少し吸収、相手の足元がグラついて、その後にモグラが敵の顔にくっつく、しかし、その抵抗も虚しく、モグラはすぐにヴァイオリンの弓で刺された。もうどうしようもない。

「では、リンの点数のために死んでくださいっ?」

リンと言う少女は少し慌てたようだった、彼女の後ろから一閃の斬撃が縦に振り降ろされた。

「はぁ、はぁ、僕の友達を、殺させないよ!」

皐文ちゃんだった。しかし皐文ちゃんもボロボロで、切り傷、やけど、打撲などもう見てるだけで痛々しい。いくら皐文ちゃんでも、勝てそうにない。それは見ただけで分かった。けど、それを見て私の腹は決まった。私はもう大切な人を失いたくない、私はウエストポーチをあさり、まだ飲み込んでいないサモンエッグを取り出した。火、木、金、土、音、毒、電、光、闇、そして、一つずつ無理やり飲み込んでいく、目の前の皐文ちゃんが膝をつく、リンは勝ち誇る。そこで私はすべてを飲み終えた。体中が変化する。だが不思議と恐怖はない、ただただ私が“化け物”になるだけだ。それでみんなを救えるならば!

「グググガァァァァ!」

顔が変わり、足がヒレになり、背中もおかしくなり、胴が鋼鉄になり、腕はドロドロの泥のように溶け、羽のようなものも背中から生え、声もおかしくなり、爪が伸びて明らかに毒を持つ。角も生え明らかに帯電しだした。どうやら水と風のサモンエッグも共鳴しているようだ。変化が終わったことを確認するように咆哮。私は“化け物”に変わった。

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