侵略してイイノ?8話 逃げ遅れた少女

逃げ遅れた少女


「やっぱり強い!」

私は敵を倒しながら、私の攻撃に即対応してくる一般兵を倒すことが、きつくなってきていることを実感する。ふと視線を廃墟に落とすと、そこには、

「え?」

私より小さい子が泣いているのが見えた。私は女の子の方へと飛び、声をかけようと思うと、

「~~~~~♪」

と真上から歌による攻撃が飛んできた。防衛方法は……あった。音のサモンエッグ! 音はサモンエッグに吸収され、セイレーンが召喚され、敵に向かって行く。私はそれを見ずに、心配だった女の子に声をかけた。

「大丈夫? 此処は危ないから逃げたほうが良いよ」

そう声をかけつつ、ハンカチを差し出す。するとそのハンカチを受け取り涙を拭いた後、鼻をかみ、私はそのハンカチをその子にあげることを決めた。その子は不安そうな顔で、

「お姉ちゃん、お母さん見なかった?」

と、そこに皐文ちゃんが跳んできて、

「珠樹、バトンタッチしたいんだけど、あいつ強いよ!」

跳んできたというより飛ばされたようだった。暗殺は失敗したのだろう。

「手伝いしたいんだけど、この子を安全な場所に連れて行かないと……」

そう言って、女の子をお姫様抱っこすると、皐文ちゃんは頷いて、

「わかったよ、じゃあそれが終わり次第こっち手伝ってね」

そう言うと答えを聞かずに皐文ちゃんは戦いに戻った。

「じゃあ、お母さん探しに行こうか」

「うん!」

そう言うと私はちゃんとお母さんが生きているのか少し不安になりながらも空に上がった。

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