戦ってイイノ?10話 艦橋より

艦橋より


「……全艦、目前の敵に砲撃開始! あの空母を沈めるぞ」

代美に起こされ、艦橋に上り、皆と念話(は電話)を開始。今は全艦に命令を出していた。そこに、

『皐文だけど、珠樹達が落とした飛行機の残骸を飛び移りながら空に向かうよ。海上は神奈にお願いしていいかな?』

「……任された」

『珠樹だよ。空の敵なんだけど、何もない空間から、四角の点線が出てきて、そこから敵が現れるんだけど、どうすればいいかな?』

「……なんだろうかその能力は、まるで……まさかな。少し考えさせてくれ。どっちの軍勢だそれは」

『ええっと、沈んだ大陸の方だね』

『後ね~、時間が逆戻りしたようにね~、って、人影が見えたよ。ちょっと撃ち落とすね~』

「……代美、報告は?」

『あ、それなら私、珠樹が報告するよ。えっと、飛行機がまるで巻き戻したかの様に、破片が集まって、修復されるんだ』

「……分かった少しこちらでも対策を考えるが、多分近くにいる人を叩ければ、又はその機能を持っている、機械さえ壊せば、というところだろう。海上の黒い軍艦も何かあるかもしれん。私は奴を叩いてみよう」

『ありがとう! 私は引き続き戦闘機、爆撃機を叩くよ』

一息ついて、戦闘の準備に入ろうとすると、

『神奈ぁー』

「……どうした? 皐文」

『破片が落ちてこないから空に行けないんだけど、どうすればいい?』

「……じゃあこちらの作戦に参加してくれ。今から目の前にいる昔の船、戦艦に攻撃を仕掛ける。皐文は私達の周りにある、駆逐艦をどうにかしてもらいたい。侵入して破壊してもいいし、外からの攻撃で破壊してもいい。頼んだ。と言うか今まで何をしていた」

『裏工作だね。得意だよ。下から苦無投げてたんだ』

「……任せた。私は攻撃を開始する」

引き続き自分も現場に出る準備を進める。皆が出ているのに私だけでないわけにもいかない。皆が頑張っているのに、指示だけ出しているわけにはいかない。そう思っていると、

「神奈様! 珠樹様達の戦っている相手の解析終わりました。あれにはコピー元がいるようです。それを参照しコピーして現れているようです。倒すにはコピー元を叩けばいいのですが、コピー元を変更できるようで……」

「……わかった。もう一つの時間巻き戻しは? あと、何故破片が落ちてこない?」

船の操作をしながら、005号に聞く。

「まず、時間の巻き戻しの方なのですが、付近にいるであろう、魔術師の反応を検出しました。そのものが行っているようです。そして破片なのですが、コピーの方は質量までは無視できないようで、光に包まれて、元の機体の場所に転送されているようです」

「……よほど大掛かりな魔術のようだな、どうやって……、いやそんなことより、珠樹! 代美! 対処の仕方が分かった。珠樹は、代美が近くにいると言っていた、魔術師を倒してくれ、代美は皆に当たらないように、爆撃機、戦闘機、攻撃機の、攻撃は可能か?」

 『わかったよ』

と珠樹の返事が返ってくる。一対一なのに物量作戦ができる珠樹は私は強いと思う。

『う~んっと多分大丈夫だよ~』

あれ私なかなか難しいこと言ったはずなのに、さすが代美だな。

「別に完全に落とさなくていい。全部にダメージを与えてくれ」

『りょ~か~い』

通信を切る。そして私は005号に、

「私は今から、全力で目前の敵を叩くサポートを」

私は戦いに出ることを宣言し、自分を少し奮い立たせながら、戦場に向かう。

「はい!」

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