戦ってイイノ?3話 合流
合流
「あれ、メールかな?」
違うビルの近くの路地、私のポケットの中で、スマホが震えている。ポケットから取り出し、画面を付けて見てみると、さっきの稲さんからだった。
急にいなくかったけど大丈夫?
という内容だった。
すいません、はぐれてしまい、今から合流しますか?
と返すと、
別にいいわ、うちの妹がどこにいるか分かったら教えてね。
と返ってきた。
はい。
っとメールを送ると、私は画面を消して代美ちゃんに、
「これからどうする?」
と声をかけると、いつから居たのか皐文ちゃんが、
「あれって、僕たちの所為なのかな……」
とうなだれて、代美ちゃんも、
「わかんないよ~。けど、どうしよう……」
と上空を見ている。上空に私も視線を移すと、さっき落とした、飛行物体と先日戦った、黒い、戦闘機が大量に押し寄せ、それらが上空で戦っていた。
「どっちも僕たちが倒しそびれた敵だと思うんだ」
「だったら倒さないと!」
「けどね~、あまり目立ったら、後々危ないかもしれないよ~英雄は英雄であり続けなければならない。私達が英雄になったら、ずっと世界を救い続けないと~」
「それでも、目の前の命を救えないなんて嫌だよ」
二人は無言になる。数秒後、皐文ちゃんは変身して、
「そうだねっ、確かに目の前の命を救えないなんて父さんが聞いたら怒られちゃうよ。それに自分のやった事に責任持たないとね!」
と言って空に向かおうとする、しかし、代美ちゃんが、
「でもね~、ずっと英雄で生き続けるってとても大変なんだよ~。英雄がどれだけ大変か分かる~? いつまでも正しく生き続けなければならないんだよ。世界を救い続けなければいけないよ~。みんなの正義で生き続けなければならないんだよ~。この辛さ分かる?」
と代美ちゃんが睨んでくる。けど私は、
「わからないよ……、それに誰かが何とかしないと」
とつぶやく、すると皐文ちゃんが、何か思いついたようで、
「代美、姿を見られなければいいんだよね?」
「? うん、そうだよ~」
「なら僕は煙幕を使うから、代美が矢であいつら撃てないかな?」
と爆弾のような物を取り出してニヤリと笑った。すると代美ちゃんも、
「それならいけるかも~。珠樹ちゃんの変装装備がまだだから、少し待ってもらうつもりだったけど~、じゃあ、まず発射の準備するよ~」
そう言うと二人はビルの屋上に上り、弓を構え、矢をつがえ、弦を引く、すると戦闘空域に弓矢が大量に現れ、
「行くよ、煙幕の術!」
と床に皐文ちゃんが煙幕弾を投げたが、煙を視認できない。首をかしげていると、皐文ちゃんが、
「これは、神奈が作った、中から外が見える煙幕なんだ。けど外からは中は見えないよ」
「すごいマジックアイテムだね」
代美ちゃんが私達が会話している隣で弦を離しすべての弓から、矢が発射され、すべての飛行物体が海上に飛ばされて爆発した。
「魔法も使われているんだけど、大半は科学の力らしいんだ。光の屈折を使ってるらしいけど、僕は詳しくは分からないかな」
「科学の力って凄いね」
そんな話をしていると代美ちゃんが、
「そろそろ離脱するよ~」
「うん」
屋上にあるドアに向かって歩き出した。3人でこっそり下に降り、何事もなかったかのように家に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます