姉妹でイイノ?20話 珠樹の姉

珠樹の姉


エスキを説得して、艦橋に向かっていると、お姉ちゃん達に似た人が戦っているのが見えた。

「うそ! シヴァ先生が押されている!?」

そう口を押さえつつエスキは言う。艦橋に入るには近づかないといけないので近づいて、刀を振りかざし、シヴァに斬りかかろうとした。しかしシヴァはにやりと笑った。

「「たまちゃん危ない! 後ろ!」」

そう前から声が聞こえたから、後ろを振り向くと、ナイフを下段に構えたエスキが、首を横に振りつつ、ぎこちない動きをながら、刺しに来た。私は避けようにも避けれない体制で、重力も減らしても避けれない。そんな状況だった。

(ど、どうすれば!)

しかし私とエスキの間に割るように入る影があった。白お姉ちゃんだった。

「白お姉ちゃん!?」

腹に一突き、死んではいないけど、このままだと……。そんなことを考えていると白お姉ちゃんは消えてしまった。それと同時に再びエスキはこちらに刃を向け、襲ってきた。しかし動きは単調で、いとも簡単に後ろに回り込め、捕まえることができた。

「あんたの思い通りにはいかなかったね。その子、魔力の糸を見るとあんたが操ってるんでしょ? 今すぐやめた方がいいよ、魔力の無駄使いだよー。たまちゃん、その子抑えといて。黄金がアイツをやっつけるから!」

「あなたに何ができますの合体してやっとわたくしと互角だったあなたが!」

シヴァはそう言うと鉾を構え突進した。

「黄金たちは力のリミッターが黄金の中に、魔力のリミッターが白の中にあるんだ。それってつまりどういう事かと言うと、片一方が倒れても、残った方が、敵を道連れにできるってことだよ!」

そう言うと手から幅の広い砲撃が放たれ、直撃。

「そ、そんなわたくしが負けるなんてあっては……!」

シヴァは叫びながら消滅した。それと同時にエスキさんは倒れてきたので刀を手放し支えた。

「すごいよ黄金お姉ちゃん! で、エスキさんは大丈夫?」

「大丈夫だよ、そんな事より、あんたの、お姉さんは?」

エスキさんは行き絶え絶えになりながら言う。

「黄金お姉ちゃんが勝ったよ! 白お姉ちゃんは消えちゃったけど勝ったよ!」

私は涙を流しながら黄金お姉ちゃんに声をかける。

「うん、けど、勝った、お姉さんの、魔力が、尽きて、いる気、がする、んだ」

「え?」

エスキさんは息を切らしながら言う。お姉ちゃんのほうを見るとそこには膝をついたお姉ちゃんの姿があった。

「お姉ちゃん! 大丈夫!?」

「いやー、本気出すと黄金の場合は脳の活動が鈍くなるんだよね。まあ一時的にだけど……黄金は自分のいた世界に帰るよ。だから詳しくはお兄ちゃんに聞いて。多分すべて知っているから……」

「そんなことどうでもいいから、帰らないでよ! 行かないでよ! そうだ、今から美智さん呼んでくるよ! だから待ってて!」

「大丈夫だよ。また呼んでくれたらすぐ駆けつけるから」

そう言うと黄金お姉ちゃんは消えてしまった。

「そ、そんな、そんな!」

私は泣いた。その隣でエスキさんはオロオロしていた。


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