和歌山県の小さな焼き鳥屋で、七夜続く怪談語り。彼は怪異の理由に固執はじめて…夜ごと、物語は加速していきます。七夜目は、彼にとって百話目の怪談だったのかも知れませんね。 みなさま、くれぐれも怪異に固執してはなりません。あなたが怪異に魅かれた分、怪異もあなたに近づくのですから…
居酒屋「大ちゃん」で毎晩語られる怪談。一話完結で、かつ聞きごたえがあります。語り口がお上手なので、まるでその居酒屋に自分がいるかのよう。個人的には。和歌山弁の、なんともはんなりした方言も大好きです。是非、『夜』にお読みください。
不思議な話を聞くことと、実際に体験することは、きっとすべてにおいて違うんでしょう。でも、聞くという事が、そういった不思議な世界につながる1つの方法だとしたら、このお話はそう言った雰囲気をしっかりと感じられる造りになっています。それはきっと、本当にこの『聞く』という事を『体験』した人だからこそ語ることが出来る内容なんでしょうね。羨ましいような…ちょっと怖いような…。そんな何とも言えない空気を、感じることが出来ました。