第32話 擦っちゃダーメッ!!


 □□□――□□―――――――――スキルショウニン――□




「ふふ、勇者様かわいい。恥ずかしがってるお顔がたまりません。ではいきますね」


「ち、ちょっとストップ、ストッ――わっぷっ!」



 パッフン、パフゥン、パッフン、パフゥン、パッフン、パフゥン。



「どうですか、私の『パッフン・パフゥン』は? 気持ちいいですか?」


「それは否定しないっ! 否定などできないっ!! でも十分満足したからもう――わっぷはっ!」



 パッフン、パフゥン、パッフン、パフゥン、パッフン、パフゥン、パッフン、パフゥン、パッフン、パフゥン、パッフン、パフゥン。



「気持がいいのなら遠慮しないでください。勇者様が望む限りしてあげます。それに、私自身も止めたくありません。勇者様のお顔を挟めるなんて、ああ……とても興奮します」


「遠慮してませんし、それに俺、勇者って言っても剣技に長けてるわけでも知略に富んでるわけでも――ぶはぅっ!」


 

 パッフン、パフゥン、ぱふぱふ、パッフン、パッフン、パフゥン、ぱふぱふ、パッフン、パッフン、パフゥン、ぱふぱふ、パッフン。



「ああっ、私、今勇者様のお顔を挟んでるぅ、ぱっふん、ぱふぅんって挟んでますぅっ。何か本当に、興奮してきましたぁ。もっといっぱい挟ませてくださいぃっ」


「ちょっ、まっ、息っ、苦――ッ!!」


 

 パッフン、パフゥン、ぱふぱふ、パッフゥン、パッフン、パフゥン、ぱふぱふ、パッフゥン、パッフン、パフゥン、ぱふぱふ、パッフゥン、パッフン、パフゥン、ぱふぱふ、パッフゥン、パッフン、パフゥン、ぱふぱふ、パッフゥンっ。



「あああぁぁぁっ、もう、だめっ……ですッ。興奮しすぎて下腹部が熱くなってきました。『パッフン・パフゥン』止めてもいいですか?」


「ぶっはああぁっ!! う、うんうんっ、今すぐ止めてもらえますっ!? マジで死ぬかと思ったんでっ!! ……ん? 下腹部が熱い??」


「はい。下腹部がとっても熱いです。だから『パッフン・パフゥン』を止めて、勇者様の上に座らせてください」


「すわ……ちょぉぉぉっと待ってっ!! 座っちゃうとアレが密着しちゃうんですけどっ!? タオル越しとはいえ、それは――」


「密着するから座るのです。――では」



 

 




「あ」



「あ……んっ、勇者様のアレが私の下にあり、ますッ。……すごく温かい」


「いや、温かいのはお湯に入っているからだと思いますけどっ!? お願いですから動かさないで下さいよっ!?」


「動かすに……決まってるじゃないですかぁっ」



 コスッコスッ。



(あーっ!!)


「ッんんはぁぁぁっ! こ、擦れてますぅぅっ、勇者様と私のが擦れて――あんっ、ますぅぅッ」


「知ってるっ!! パパ、『パッフン・パフゥン』にしましょうかっ? 『パッフン・パフゥン』がいいなぁ、俺ッ。だから腰上げて――」


「いえ、擦ります。擦りたいのですっ」


 

 コスッコスッコスッコスッコスッコスッ。



(あああーっ!!)


「ああ、ああぁッんんッ! す、すごい擦れ、やんっ、ゆ、勇者様のすごい硬いから、んぁああぁ、だめぇぇ、これ癖になっちゃうぅぅぅ!!」


「お願いします―ッ!! 腰上げて下さいっ、メェイさんッ!!」



 コスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッ。



「ウゥルですぅぅああぁッッ! も、もう癖になっちゃいましたああぁんんっ!!」


「あああああーッ!! ウゥルさんっ! ダメダメ擦り過ぎですってっ!! お願いですから腰上げて下さーいッ!!」



 コスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッ。



「メェイ――ッですううううんんッあああぁぁんんっッッ!! 止まらないですっ、止まらないですよぉぉぉッ、だってすっごく――ああああああんッッ! 気持ちいいですからぁぁぁ!!」


「ああああああああーッ!!! ウ、メェイさんッ!! マジマジ、もう本当に止めてくださいいいいいっ!!」


 

コスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッコスッ。



「ウゥルッッあああぁぁんんッ――ですぅぅぅっ!! 私はウゥルでっすぅんんんんんんッ! ああっ、もうだめっ、だめだめダメェッ! こんなに擦っちゃったら、やんっ、んあぁっ、はあぁんッ、……わ、私もう我慢なんてできま、せんっ。このまま勇者様のが欲しいい――ッッ」


 

 

■―――――――――■――■――シュウリョウ―■―■■■ 



(あああああああーっッ!! 俺、大ピーンチッ!! も、もうこうなったら四の五の言っていられないっ! もう力づくで――)


 

 ――刹那、周囲が闇に染まった。

 禎太が行動に移そうとしたとき、湯浴み場から光が唐突に消えたのだ。



碧光石サファイルのランタンが消えた……?)


「ち、ちょっと何――え? 誰!? きゃああああぁっ」


 

 そのとき、拘束担当の双子が急に喚きだしたかと思うと、禎太から離れた。

 落水の効果音が聞こえてきたことから推測するに、彼女は誰かに禎太から強引に引き剥がされたのち、湯の中に放り投げられたようだった。


 『パッフン・パフゥン』担当の双子も同様に、悲鳴を上げて後方に落水する。


 双子を投げ飛ばした誰か――。

 それは耳元に囁きかける声ですぐに分かった。



「禎太っ、早く上がって!」



 

 ◆




「サンキューっ、助かった」



 禎太は桶から出ると、カチュアに引っ張られるように更衣室に飛び込む。



「勇者様っ? 勇者様はどこへっ!? 私もその高貴で端正なお顔を『パッフン・パフゥン』させて下さいっ!」


 

 と、禎太を呼ぶ双子の悲痛な声が飛んでくるが、カチュアによって扉が閉められると聞こえなくなった。



「なーにが『パッフン・パフゥン』よ。あんな粗末な胸、う〇こでも挟んでいればいいのよっ。よし、一旦、禎太の部屋へ戻りましょう。えっと服服……」



 躊躇なくう〇こと口にしたカチュアの姿は、裸にタオルを巻いているだけだった。

 体のラインがくっきり出ていて、そのスタイルの良さに暫しの間見惚れてしまう禎太。

 


「はい、これ持って。行くわよ」


 

 カチュアのその声で我に返る禎太は、動揺から「あ、ああ」と乱れた発音で返す。

 禎太は自分の服を受け取ると、カチュアに続くように外へと出た。


 湯浴み場に入る前に夜のとばりも下り始めていたので、てっきり真っ暗かと思ったが、ところどころに明かりが灯っている。

 どうやら外にもサファイルのランタンがあるようだ。


 ――ちなみに双子の胸は粗末ではなかったと、心の中で言っておく。

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