第15話 イケメンコンテスト

 無事に実演会も終わり、あとは大学祭だけだ。

 毎年、イケメンコンテストがあるのだけど…、医学部からはジュンヤが出る。

 ふふ、また今年度もアイツが1位なんだろうな。

 なにやら、体育学部からも出るみたいだし、盛り上がるだろうな。

 楽しみだ。


 そして、大学祭初日。

 朝も10時になると、イケメンコンテストが始まる。

 私も、大ホールに行ってみた。


 第1次予線を勝ち進んだイケメン連中が、ステージ上に並ぶ。

 ほー!

 イケメンが40人も揃うと、不気味な感じもするな。

 その中に、1人異色な雰囲気を醸し出す人がいた。

 メガネを掛けてるが、とても優しい雰囲気を纏ってる。


 ステージ上では、学部と名前で紹介するのだが、その人は「体育学部の教授で田宮俊平」という名前だった。

 しかも、メガネを外してという声に応えて、外してくれた。


 wow!


 思わず口笛を吹いていた。

 ほー、これはこれは…、ジュンヤよりイケメンだ。

 私の親父もイケメンの部類に入るらしいが、それ以上だな。

 女性に限らず、男性からも黄色い声が飛んだ。

 ジュンヤには悪いが、私はその体育学部の田宮教授に一票を入れた。


 その後、12時には半分の20人に減り、15時にはイケメン発表があり10人が選ばれる。行くと、ギュウギュウ詰めで入れない…。仕方ないので、耳を澄ましマイクから聞こえてくる声に耳を向ける。


 『……次は、5位です。

 体育学部1年、雅治(みやび おさむ)様。

 次は、4位です。

 同じく体育学部1年、村木建(むらき たける)様。

 次は、3位です。

 工学部の飯田成行(いいだ しげゆき)教授。

 そして、2位です。

 医学部4年、ジュンヤ様。

 栄えある1位は…、

 体育学部の田宮俊平(たみや しゅんぺい)教授です。

 10名の皆様、おめでとうございます!』


 へー、すごい。

 あの教授は1位か。

 ジュンヤは2位になったのね。

 で、景品ってなんだろうと気にしながら、続く言葉に耳を傾ける。

 『1位の景品は、1万円分の図書券です。

 2位は、7千円分の図書券です。

 そして、3位、4位、5位の3人には、5千円分の図書券です。

 6位、7位、8位、9位、10位の5人には、2千円分の図書券です。

 遠慮なく、使ってやってください。

 これで、今年度のイケメンコンテストは終了させてもらいます。

 お疲れ様でした。

 ありがとうございました』


 一々、おぉー!とか、キャー!とか悲鳴にも似たような声が湧き上がってくる。

 うるさいが、これがあるからこそ盛り上がるものだ。


 ゼミの部屋に戻って、ジュンヤおめでと会でもしますか。

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