第3話 福山友明Side

 ムカつくことったら、憎たらしいぐらいにムカつく。

 この間のベンツ野郎、あれからすぐに逃げやがって・・・。

 お蔭で、ここ最近は普通に歩くのもままならない。


 案の定、仲間たちは聞いてくる。それに一々答えるのも疲れるので、自称右腕のヨウイチと左腕サトルの2人だけに話す。あとは、その2人が良いようにするだろう。


 くそぅ・・・


 今回の試験を逃せば、最低でも3年後になってしまう。

 それだけは避けたい。


 私、福山友明は、ただいま東響大学の医学部3年生。

 この4月には4年生になる。


 4年生になると、実習とか色々な試験とか、他にも色々とやる事が多いのだから。

 だからこそ、今回の試験だけはどうしても受けて合格したいんだ。

 医学部は、大変なんだぞー!

 あのベンツ野郎を頭の中に描いて、睨みつけてやる。


 なので、こっそりと付属病院に行って、そこの担当教授に聞いてみた。

 右足首を捻って痛みがあるのだけど、スポーツするにはどれぐらいの期間が必要か。自分なりにも、湿布を貼ったりしてると言うと。


 すると、その教授の一言。

 「本来ならば、病院に行って診てもらうべきなんだが…、仕方ない。 お供も付いてないし、ボス自らが来てるので免除してやろう。その代わり、誰にも言うなよ」

 「はい、もちろんです」

と答えると、レントゲン室に向かった。


 教授に診てもらうと、レントゲン写真の見方を教えてもらいつつ、

 「ヒビは無いし、骨にも異常無い。軽い捻挫だ。痛むのは、筋肉の痛みだよ。

 痛みが取れるまで、湿布を貼った方がいいね。持ってる湿布で十分だよ」、と。


 そして、整形外科では云々と・・・、教授から、現場での整形外科の話しを教えてもらった。

 一石二鳥というものだ。


 しかし、本当に痛かったよ…。

 結局2週間ほど湿布貼ってた。


 この試験は、絶対に落とさない。


 その後、段級試験は無事に終わったので安心した。

 そう、合格したんだ。

 良かった。

 本当に良かった。

 後は、3年後の四段を目指すぞ。



 福山博人。

 ひろと、か。

 ひろちゃん、とでも呼んでやろう。


 絶対に許さんからな。


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