383日目 国を操る黒き悪夢


 メルトの魔法によって攻撃を仕掛けていた化け物たちは打ち砕かれた同胞を見て怯み・・・後ずさりをするとそこへ間髪を入れずにハイネ司祭の式札が投下され。

地面に張り付くと同時にその周囲にいた化け物に鎖が飛び出し動きを封じその合間を縫ってシャルルが化け物に対し円形の武器で攻撃を叩き込んでいた。



「シャルルはそのままチューリちゃんを救助してね!!!

私とメルトはこのまま他の化け物が手を出してこないようにするからさ!!!

さぁドイツでもいいからかかってきたければ来るといいさ。

こっちにはどんな相手でもカエルにしちゃうトードマスターのメルトがいるんだよ!!!」

「ちょっ!?それはこっちの国じゃ通じてない二つ名だからはやらせないでよ!!!

それに私は別にカエルにしたくてしてるんじゃないわよ??たまたま薬品の調合でできたモノを飲んだ人がカエルになっちゃった程度でね??」

「グゴゲゲゲ・・・・」

メルトの恐ろしさがここにまで広まっていたのか・・・化け物たちはメルトの話を聞き受けたかのようにして身を低くさせて下がりシャルルがチューリを連れて戻ってくる時には戦意を喪失したかのように震えているだけでありシャルルはそのタイミングでハイネ司祭に式札の起動をさせ先ほどのフロアにあった謎の物体の破壊をさせると本当に破壊できたのか気になりその場へと移動すると・・・・



「うん、私の式札の威力もあって完全に粉砕されているようだけれど・・・

コレでこの国の異変は終わったのかな??

それとも朝にならないと異変が収拾されたのかわからないとか??」

「その辺は夜の街で人と会わないと何とも言えないわよ。

ミイラ化が終わっていれば成功と言えると思うけど・・・・

そもそもコレが人の精気を吸っていた根源とも言えないのだけれど・・・・」

「ですがコレでこの王城にある不思議な物体の排除はできたので一歩前進かと思われますが・・・・他に怪しげなモノがあるのかどうかですよね・・・・

私のマッピングはここまでであってこの先のフロアは探索していないのでどうなっているのか見当もつかないのだけれど・・・・危険を覚悟で突き進んで見ます?」

シャルルの意見は危険だがこのまま謎の排除をした状態で解決したかどうかわからない街へ戻るのは怖いと感じた2人はシャルルの提案に乗りこのままチューリに悪いが最後の最後まで終わらせようと突き進むこととなりフロアの先へと進むとその先からはとてつもない魔力の濃度が感じ取れ・・・如何にもこの国を包んでいたともされる元凶たるものを感じたメルトたちはその思い扉を開き中へと入るとそこには町や村から消えていたとされる人達が得体の知れない管で通され1つの本体に突き刺されている状態であり。

その中にはチューリの言うおとととおかかの姿もありチューリは2人の名を呼んでいた。



「おとと!!!おかか!!!どうしてこんなへなへなになってるの???

ハイネお姉ちゃん・・・メルトお姉ちゃん・・・シャルルお姉ちゃん・・・おとととおかかは助かるの??」

「えぇ助かるわ・・・それもこれもこの元凶の・・・ヤバイ奴を倒したらだと思うわ!!!

ねぇそこにいる王に悪夢を見せているシャドーさん!!!」

「ヘッヘッヘ・・・・俺のこの濃すぎる魔力はどうやっても消せはしねぇか・・・・

それにこんなに目といい勘のいい魔女は久々だ・・・お前のその器・・・俺がもらってもいいかァ??それならこの人間たちは解放してやるがどうする??」

「悪魔との交渉は教会の物としては見過ごせない!!!

それにそんなものは交渉でも何でもない!!!ただの乗り移りを提案だろ!!!

私たちの使命はこの国に招かれる不安と混沌の排除である!!!お前の提案なんぞ聞いてなるモノか!!!」

「そうだが・・・このまま交渉を決裂すればこの人たちはチューリちゃんの親はどうなるか考えないとだよ??

だからシャルル・・・今は国の人間も大切だけど目の前の人たちを犠牲にしてもいいと言う事ではないんだ。

私たちはできうる限り全員を救うのが目的で数ある人を囚われたモノを捨てて得る幸福はないと思わないとだ。」

ハイネ司祭はメルトに交渉するのは君だと言いつつもシャルルを黙らせ・・・・メルトはチューリに心配しないでと語り黒い相手に話しかけた。



「姿のない黒い真っ黒野郎。

アンタは弱虫ね??そんなバカみたいな王の夢にとりついて人の次々と悪夢に陥れて直結し魔力を得たのかもしれないけどそれはあなたの力じゃない。

それはただ繋げた魔力のサークルに過ぎない。

だからアンタの言った契約を私は受け入れたげるわ!!!」

「はぁ!?メルト??今なんて言ったんだい!?

私は話をしろとは言ったけどそこまでしろとは言ってないよ!?

ちょっとたんま!!!ストップストップ!!!!」

「チッ・・・メルトさんの判断が突拍子もなさ過ぎて対応できなかった・・・・

このままじゃ本当に黒い何かとメルトさんが一体化してとんでもない魔力を得てしまう!!」

「メルトお姉ちゃん駄目!!!!」

チューリは咄嗟に首にかけてあったお守りをメルトに投げつけると黒い悪夢はメルトの体に溶け込む前にチューリの投げたお守りに吸い込まれ固定化され・・・

自分自身何が起こったのかと不思議そうにし、王やチューリの親子は次々に息を吹き返し目を覚まし始めていた。



「んん・・・良く寝たような気がするのだが・・・・んんんおぉ!?コレは・・・一体どうなっておるのだ??

どうして民たちがこの王宮の寝室に??」

「私たちもサッパリと言いたいところですが・・・私たちは王の命でココに呼び込まれ・・・・気が付くと眠りに落ちたような気がするのです。」

「ん?チューリ??チューリじゃないか!!!」

「おかか!!!おとと!!!よかったよぉ~~~本当によかったぁ~~~わたしずっと家を守ってたんだよ??」

「え、えっと・・・・俺は一体どうなって・・・・ひゅはッ!?ははは・・・えぇっと・・・・これはですねぇ・・・・」

お守りの中に囚われた黒い悪夢はメルトの魔法によってさらに強固な結界がお守りに敷かれたと知ると言葉遣いが急に敬語になっており丁寧になっていた。

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