376日目 謎の警備兵と呪い


 老婆の店で情報を得たハイネとその一行は食事を終えると代金を支払い店を出ていくとチューリに異変があったとされる家ではなく城の方が見たいと言って連れて行ってもらうとそこには異様な程にどんよりとした魔力が満ち溢れており。

その気持ち悪い混ざり合いは魔導に精通するメルトもドン引きする程で・・・ハイネ司祭もある程度の力を持つモノとしてその魔力の異常さに勘づき顔を青ざめさせていた。



「ここはすっごくな感じがするね・・・

それにあの兵隊たちも目がいっちゃってるし少し離れた方がいいかもしれないな。

チューリちゃんにメルト・・・ここからすぐ移動しよう。」

「それがいいわよ。

何せ・・・とっくに兵隊たちが私たちのプリーストの衣装を見て行動して来てるわよ!!!」

「うわぁぁぁ!!!大運動会だッ!!!」

この騒がしい状況でさえもチューリは元気でユーモアに満ち溢れており。

その言葉に2人は元気をもらいメルトはチューリをおんぶして駆け足で走りハイネは後方からやってきている普通の兵隊とは違うもの達が追って来ていない事を確認していると路地裏に入ったところでメルトの走る前方から挟み撃ちにするように謎のモノ達に囲まれていた。



「グゲゲゲゲ・・・・・エゲゲゲッ・・・・・」

「コレはそうね・・・話をして金で交渉とかできないタイプね。

見てわかるわよ・・・だって剣を抜いてるんだものッ!!!!」

「メルトはチューリを絶対に護って!!!コレはハイネ司祭である私からの絶対命令だよ!!!

それじゃ少しばかり遊んであげるとするかな・・・・

――――――――――式札・・・拘束の陣!!!」

「うわぁぁすごぃ!!!ハイネお姉ちゃんって魔法使いなの??」

チューリの無邪気な言葉にハイネは笑顔で答えるそっともはや人ではない何かに近づきその正体を探りだした。



「ググッゲゲゲゲ・・・・グゲゲ・・・」

「この気持ち悪い奴らによくまぁ平然と触れたものね。

私ならそのままメキョッてするわよ?メキョッ!てね。」

「その気持ちは痛いほどわかる、わかるとも。

でもね?生まれてきた命は全て平等なんだ・・・見た目やそう言ったモノも関係ない。

生あるものは全て平等でなくてはならない・・・それが私の信じる神道だからね。

さぁて君たちには黙秘権があるのだけれど・・・黙秘も何も言葉がわからないから何とも言えないね。

それじゃどうやって調べるか・・・ん~まずは君たちの素顔を見させてもらうよ??

――――――――――布を失礼。」

ハイネは目の前で拘束されているもの達の顔にかかった布をめくり上げて確認するとメルトにチューリにはと告げて違う方向を向かせるとメルトはどうしてかと案の定聞き尋ね・・・ハイネはこの者たちの顔が世にも恐ろしい怖い顔だと嘘だとわかる言い方で伝えるとメルトはチューリにそう言う事だと説明してそのモノ達が見えないように方向を変えた。



「グゲゲゲゲゲ・・・・・グゲゲ・・・・」

「これはすでにとんでもないことになっているのかもしれないな。

私の祈りで呪いが解けるとは思えないがやってみるだけやってみよう。

―――この者のけがれし魂と身を今再び洗い流し真実の姿を見せよ!!!」

「ねぇねぇ、ハイネお姉ちゃんは何をしてるの??私も見たいよ~~」

「ダメダメ、ハイネはね?ちょっとマニアックな趣味を持っちゃってんのよ。

だからそんな危ない趣味にチューリが巻き込まれるのは私が悲しくなっちゃうから見なくていいのよ。

それに・・・魔力が近づいてきてる・・・ハイネ、早い事ずらからないとまたさっきのような奴らが追いかけて来てるようよ。」

注意しようとメルトたちがハイネ司祭の方を向くと2体の拘束した者の体から黒い瘴気が立ち込めており。

その黒い書記が消え去るとその2体は骨と化して崩れ去りハイネは残念そうに答えメルトと共に宿屋に逃げ込むようにして戻った。




「さっきのは一体・・・ハイネはあの拘束したヤツに何をしたのよ??」

「いや、あの2体からはの呪いのようなモノを感じたから解除したんだけどね。

失敗したとかじゃなくてどうやら白骨化した死体を使ったネクロマンスの類のようだよ。

えっと・・・チューリちゃんに嫌なものを見せてごめんね?気分を悪くしなかったかな??」

「うん大丈夫・・・この街に異変が起きてから人がいっぱいいなくなっちゃって・・・私のおとととおかかもあんな風になってないか心配・・・・」

チューリは自身が目の当たりにしたことが親にも起こっていないかと心配しており。

ハイネはチューリを元気づけるために再びアメを与え自分も食べるとメルトはよだれを垂らしていると・・・・



「はい、メルトお姉ちゃんにコレあげる!!私を助けてくれたけてくれたお礼だけどコレで足りるかな?」

「だ、大丈夫よチューリ・・・それはチューリが食べると良いわよ。

私がよだれを垂らしてるのに見向きもしないこのハイネが悪いだけなんだから気にしないで。」

「それは心外だなぁ~だけどねメルト?こういう時はチューリからのアメを受け取っておきなよ。

チューリの感謝の気持ちは手に持ったアメでしか返せないのだからそれを受け取らないと言う事はチューリを傷つけるだけだと思うんだけどなぁ?

――――――――それにアメならまだあるしね。」

ハイネ司祭がアメを先に渡せば済む話だったとハイネ司祭からアメをひったくり、チューリからアメをもらい代わりにハイネ司祭から奪った雨をチューリに与えると3人は仲良くアメを舐め夜が来るまで辺りに迫る気配がないかと気を配りつつ時間を過ごすと・・・・・



「それじゃそろそろ時間だからチューリの案内で行くとしようか。

外は昼間よりも危険だけどここに1人で置いておくよりか私たちと移動する方が安全たと思うからチューリちゃんは一緒に来てね。

大丈夫、絶対に私たちがチューリちゃんを守って見せるから。」

「うん!!お姉ちゃんたちと夜のお散歩する!!」

「まぁお風呂場でハイネが暴走しかけた所を除けば今の所順調ね。

さぁてそんじゃまぁ・・・ヤバそうなヤツのいる寝床へ向かいましょうか!!」

メルトたちは老婆とチューリたちの言う何かがいるとされる寝床へと向かうのであった。

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