374日目 メルトとハイネの旅


 それから食事が一通り終わったハルトは酒をチビチビと飲むメルトに今までどうしていたのかと問うと。

酒を飲むのをやめて魔王やキルりんを呼び出し円陣を組むようにして自分が何をやっていたのかを話し始めた。



「いい??コレはとんでもないくらいの悲劇よ・・・・だから他言無用で言いふらしてでもしたら私が制裁するから覚えてないさいよ。

まずどこから話せばいいかしら・・・そうそう・・・アレは寒空の中で掃除をしている時だったわ。

魔法でちゃちゃっと済ませて休んでたのをハイネ司祭にバレて呼び出されて・・・・」

「やぁ、メルト・・・すっかり教会に溶け込んだと言うべきかダラダラが目立つようなんだけど仕事はしっかりとやっているのかい??」

ここからはメルトが味わった体験談が語られるのであるが・・・その全てが本当なのか定かではなくただハルトたちは聞きに徹していた。



「まぁボチボチね。

こんな教会の掃除を私にだけやらせるなんてどうかしてると思ったけれど案外楽に掃除が終わってボケっとしてたところよ。

もっとこうプリーストらしい仕事とかないのかしら??

例えば・・・魔物をひっぱたく仕事とか過激な仕事がいいわね。」

「だったらいい息抜きにこの教会から出て一緒に仕事をしてみるかい??

私はコレからとある件でこの国から出なくてはいけなくなってね。

その護衛と行先でのサポートを頼みたいのだけれどどうかな??

他のプリースト達やジャージーには他の者へ話さないように言いつけてあるからハルト君たちの耳にはまず届かないと思うのだけれど決めるのはメルトだ。」

ハイネ司祭の問いに愚問と言って内容もわからない事をするのは切り捨ての聞くゴロツキか頭の悪い魔獣がせいぜいと吐き捨ててハイネ司祭の部屋からそれ以上の話が無ければ出ていくと語るとハイネ司祭はメルトの前に入り説明をすると言い出しニヤニヤしながら喋りだした。



「さすがにハルト君たちのメンバーなだけある・・・口だけで頭の悪い金と酒におぼれる女かと思ったらそうじゃないか・・・ジャージーの集めた情報通りにいつも感心しちゃうなァ。

いや、待たせてごめんね。

本題に入ろうか・・・私が呼び出されたのはねとある国に現れた怪奇な亡霊?のようなモノの退治をして欲しいと言われてね。

私自身はそれなりに除霊なり色々とできるけどメルトのように魔導や魔術・・・霊の事に関した知識は持ち合わせていないから手が欲しい。

いやその頭の中にある知識を借りたいと言うべきかな??

そもそもその亡霊なのかどうなのかも現地に行って調べないとわからないのよ。

つまりメルトがこの話を聞いた時点で連行は決定してるのだけれどまんざら嫌そうじゃないよね?」

「あ、わかる??本当に私の事をどこまで調べたのかはしんないけどジャージーの人を見る目と探りの力は普通じゃないって言う事は分かったわ。

この教会も普通じゃない兵力になって来ているのも確かだし裏に何があるのかも不明・・・だけど私のこの知識を貸せと言うのなら貸さない訳もないけれど。

そうね・・・知識を貸すのなら私は報酬を要求するわ!!」

メルトは格好をつける風に語るが予想通りの内容にハイネは思わず吹き出し・・・自分がいつも使っているのかトランクカバンを取り出し中から宝石をメルトに手渡した。



「コレはね私が旅先で困ったときやすぐに現金が手渡せない時の場合に集めに集めた宝石なんだけどコレでどうかな??

これだけでも数千万ゴールドの値がつくはずだよ。」

「こ、こんなキラキラした宝石くらいじゃ・・・・私の知識はそんな石ころ程安くないわよ!?」

メルトは欲を我慢しつつも報酬をアップするようにハイネ司祭に訴えかけるとハイネ司祭はあと少しでいけることを確信したのかメルトの耳元に寄り・・・

この件が済めば地獄のプリーストのアルバイトが終了だと呟くとメルトはごくりと唾を飲み込みおかれた宝石を受け取りその内容を示す書類を作成するように命じハイネ司祭はすでに用意してあると言ってメルトに見せるがその書類は無事にその件が終わって教会に戻って来てからだとちゃっかり答えるとメルトはその二つの報酬で納得しすぐさまハイネ司祭と2人で別国のアガイラへと移動した。



「ここがアガイラ・・・始めて来たけれど年中気温は春のような温度なのね。

で、ハイネ司祭の言ってた亡霊のような何かはどこに現れたのよ??

さっさとボコって帰って豪遊三昧したいんですけどぉ??」

「待って・・・その前に紙袋とかお水とか持ってない??

ちょっと乗り物酔いしたのか気持ちわるぃ・・・・おえっ・・・うぶぅ・・・」

通り過ぎていく人々の妙な視線をハイネが集めているとその中で小さな子供が2人に近づき病気かどうかと尋ねて来ていた。



「お姉ちゃんたち病気??それとも失恋??」

「その二択はどちらも違うわ。

まぁハイネ司祭はいつも失恋しているようなものだから当たりと言えば当たりよ。」

「そ、そんなことよりもお嬢ちゃん・・・休める場所はない??

―――――――お水があるとすごく助かる・・・うおぇぇぇ・・・うぶッ・・・」

そろそろハイネ司祭も限界だと感じたメルトは小さな女の子に至急どこでもいいから休憩できる場所に案内して欲しいと言うと女の子はついて来てと言って2人を導き自分の住んでいる家に連れて来た。



「お姉ちゃん、ここがトイレだよ。」

「あああぁぁ助かった!!!すぐにから耳を塞いで待ってて!!!」

「それじゃ私たちは気持ち悪い声を聴かないように耳を塞いでましょ。」

「うん!お姉ちゃんたち面白いね!!えっとそれじゃ耳をビシッと完全封鎖!!!」

その小さな女の子はメルトに言われた通りキビキビと動きハイネ司祭がオロオロと吐き出す音をシャットダウンし気分爽快とハイネ司祭が現れると自己紹介が行われた。



「私はここに住んでるチューリだよ。

お姉ちゃんたちは・・・旅をしてる人なの??」

「まぁ旅みたいなものね、あまり名乗る事はしてないのだけれど。

こほん・・・私は偉大なメルト!!!」

「いや、完全にこの時の為に温めてたセリフだよソレは・・・・

えっとトイレありがとね助かったよ、

私はとある国の教会で働く司祭のハイネといのだけど・・・この国で何か妙な事が起こっているって聞いて駆け付けたのだけれどチューリちゃんは何か知らないかな??」

ハイネ司祭はチューリにこの国で起こっている不思議な事、奇怪な事を問うとチューリはとある場所で異変が起きていると言って地図をもって来てくれていた。

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