369日目 知識を巡らせ狩りをせよ!!


 雪の山に無理やり連れてこられたハルトは体をがくがくと震わせながら魔王たちの後を歩きながらどうやってホワイトボアーを見つけ出すのかと問うと。

キルりんとせっちゃんは噂で聞いた狩りの方法でホワイトボアーを狩ると言ってキノコを取り出していた。



「ん?もしかしてソレでおびき寄せるのか??

それは他の害獣とか魔獣に横取りされたりしないのか??

そんなにバカなようには思えないんだが・・・・」

「いえいえ、このキノコは特別なキノコなんですよ??

まぁこういう知識がない者からすればどれも同じキノコに見えるかもしれませんがコレはボア種の好んで食べるキノコでこの時期に生えていることはありません。

ですからこれをエサにボア種を呼び込みつつ紛れ込んだホワイトボアーを狩ると言うわけですよ!!!どうですかこの作戦!!!」

「ん~色々と言いたいことが沢山あるのだが今はどんな手段を使ってでもホワイトボアーを手に入れたい。

だから私はキルりんの作戦に1票入れよう。」

「魔王さん・・・全部聞こえてる・・・

えっと、私もホワイトボアーのお肉が食べられるのならいくらでも手を貸すから何でもいって!!」

せっちゃんたちはひとまずキルりんの作戦を実行に移すべく・・・ボアの好物であるキノコをたまたま通りかかったところにあった切り株に置いて様子を窺っていると・・・・



「なぁ・・・こんなチープな作戦で本当に来ると思うのか??

伝説とか幻とか言われてるモンは基本的にたまたま遭遇するか住処に踏み込む以外は出会えないと思うんだがな・・・・それとメチャクチャ寒いんだが・・・悪いが魔王・・・魔法で温めてくれねぇか??」

「うむ、任せるがいい!!

――――――――ヒートアップ!!!」

「本当にこんな寒い雪山の中をそんな軽装で来ては駄目ですよ。

それとですね、あのキノコの効果は本当ですのでもう少し我慢して待っててみてください。

こう言う狩りというのは忍耐力と読みの良さが必要なのですよ。」

「うんうん・・・狩りはよく山でしてたから覚えてる覚えてる。

鳥を弓矢か小石で狩ったり魚をワシ掴みしたこともあったなぁ~~~」

せっちゃんが思い出に浸る中・・・キノコを置いた切り株の方では何かが近づいてきたのか茂みが動き出し。

その中からは普通のワイルドボアが現れ・・・キルりんは食べられる前にと小石を投げてボアを散らすと再び数分間の間が生まれ・・・・



「なぁ・・・マジでこのままこうやって待機するだけの作業で行く気か??

俺ならトラップを仕掛けて誘導する作戦とか色々と考えるんだが・・・・

魔王たちもまだコレで行こうと思っているのか??」

「ジッーーーーーーーーーーー」

「すごい見られている中言いずらいのだが・・・ウム、私もそろそろ待ち続けてホワイトボアーを捕える作戦は止めにしてアタックを仕掛けてもいいのではないかと思い始めていたところだ。」

「ん~私はキルりんの作戦も行けると思うけど・・・このままジッとしていても時間だけが過ぎるのならちょっと気分を変えるために違う方法を試してみるのもいいかもだね。」

キルりんは2人が裏切ったと舌打ちをしてキノコを回収し・・・ハルトにどういった作戦で捕らえるのかと問うとハルトは魔王に範囲を固定させるような魔法が使えるのかと尋ねだし。

魔王は大きく胸を叩いて使えることをアピールし、せっちゃんには鬼化でこの周囲を駆けまわれるかと尋ねるとせっちゃんも何とか行けると答えが返り。

ハルトの作戦である追い込み作戦が始まりを告げた。



「まずキルりんたちの情報を元にホワイトボアーの潜んでいそうな場所の把握だな。

で、そこから魔王の結界的な魔王で逃げ場をなくしせっちゃんにその中で暴れてもらい害獣に魔獣を一切合切と追いかけてもらえれば後はホワイトボアーのみを倒せばOKって寸法だが何か気になる点とかあるか??

あれば参考にしたいから言ってくれ。」

「そうだな・・・最後の追いかけるのが鬼化したせっちゃんと言うのはアリと言えばアリなのだが。

それはせっちゃんの森でのイメージをより凶悪的なものにしないかと少し不安なのだ。

今でも十分に鬼として怖がられているせっちゃんが森の動物までもを震え上がらせてしまうとその・・・友が・・・・」

「なッ!?魔王さん!!私は別に森の動物たちがお友達なわけではない!!!

それに今ではハルトたちに魔王さんたちがいる・・・から大丈夫だと思う。

―――――――――――多分・・・」

「多分て・・・・まぁせっちゃんのイメージは悪くなるとしてですね。

捕獲の際はどうするのですか??戦闘を行い倒すと言う事でいいのですか??」

キルりんの言葉にハルトは悩みに悩み・・・追いかけたせっちゃんにムチを討つように最後の討伐に協力してくれるかとダメもとで問うとせっちゃんは人間に戻って戦うと言うのであればと返事をしており、最後の最後までせっちゃんに頼ることとなったがその作戦で行けるだろうとキルりんも賛成しついにその作戦が実行されようとしていた。



「それじゃ私は空から結界を貼るからそれまで待機していてくれ。」

「おう、頼んだぞ魔王。

魔王にしか頼めない仕事なんだバッチリと頼むぜ!!!」

「ではせっちゃんは鬼化になってこれを体に巻き付けてください。」

「この木の実のようなモノはなんだ??

妙なにおいがするのだが・・・・」

せっちゃんを鬼化の状態にさせたキルりんはそのウエストにぐるりと木の実のぶら下がった紐を括り付け。

装着してからキルりんは使用方法を伝えつつ効果の説明を行った。



「まず、その木の実は動物を追いかける際に潰して使います。

で・・・その木の実は強烈なにおいを発生させせっちゃんの匂いを消すのでどの動物もせっちゃんが暴走して暴れているなどと思う事もありませんのでご安心してください。

さらにさらにその木の実は匂いけしをしつつもその特有の匂いから動物たちを気付かせることもできますので一石二鳥ですよ!!!」

と、キルりんはせっちゃんの事を気付かっているのかせっちゃん自身のニオイを消しつつも動物たちを追いかけまわすのに最適だと言っており。

その一言一言にせっちゃんは涙を流していた。

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