358日目 超巨大生物接近


 魔王の鋭い一撃を浴び気を失ったハルトは・・・そのまま朝まで目を覚ますことなく眠り続け。

気が付けば朝の小鳥が無き・・・酒が飲めずにイライラするメルトの声が聞こえハルトたちは目覚めていた。



「ギアァアァァァ!!!!酒!!!酒酒酒酒酒サケサケサケサケさけぇぇえぇぇぇ!!!!!!うぎゃばぁぁあぁぁ!!!

どうしてあんな約束しちゃったのよ私のバカ!!!!こんな地獄のような生活は精神的に持たないわよぉぉぉぉ~~~~ノォォォォォオ!!!」

「そうか、だったら今日の分の借金返済用の資金はいらないな。」

ハルトは徐に懐からゴールドの詰まった紙袋をメルトに見せると、メルトは息をスーハーとして気持ちを切り替えハルトに朝の挨拶と共にゴールドの入った袋を受け取り中身を数え始めていた。



「ヌッフッフ・・・あともういくつ寝ると借金をチャラにできるかしらね!!!

でも・・・このままシュゴビーを飲まずにいられるのかしら・・・・すっごく不安なんだけど・・・・」

「そろそろコイツも限界か・・・・どこかでガス抜きしねぇといつか俺たちに被害が出るかもだし・・・・魔王とシュゴビーを飲むところでも見せて犯行に移させるか。」

「朝から賑やかなのはいいのですが朝食はまだですか??

私はたまごとパンを所望します!!!」

「みんなおはよう、今朝もいい天気だぞ。

それとギルドに緊急依頼が来ているとかで冬越えの厳しいハンターたちや冒険家が集まっているのだがどうする??

私は強いものと激しい戦いをしてストレスが発散できれば最高なのだが。

今はメルトの借金を減らすことも私たちの目的の一つとなっているのだから参加してもいいとは思う。」

魔王が朝のトレーニングから戻って来るとギルドに張り出してあった緊急依頼の件を告げると。

ハルトはその前に朝食にすると言って調理を始め・・・キルりんの要望通りに目玉焼きと追加で工夫しパンの上に焼いたチーズを乗せて4人で食べようとしたところで誰かが家の扉をノックしてきていた。



「ハイハイ、今出ますよ~~~ん?せっちゃん??どうしたのですか??」

「クンクン・・・この匂いは朝食を食べるところなのかな??

――――――――――――あ、えへへ・・・・・」

せっちゃんは美味しそうな匂いにつられてやって来たのかと思わせるかのように匂いを嗅いだ途端にせっちゃんのお腹から大きな空腹音が鳴り響き。

ハルトは無視することもそのまま朝食を食べ始めることもできず・・・せっちゃんを家の中に招き入れ同じように朝食を振舞うとキルりんも驚いて手が止まる程の勢いでせっちゃんはパンをガツガツモシャモシャと食べていた。



「ガツガツ・・・アムアム・・・ん~~おいひぃ~~~あ、ご・・・ごめんなさい・・・・私、また食料が底をついちゃって・・・・あはは。」

「せっちゃんは一人で暮らしているはずですよね??

モールラットにでも食べられましたか??」

「違うわよキルりん・・・モールラットよりもよく食べるのがいるじゃない。

全部の食料はせっちゃんの胃の中よきっと・・・」

「なるほど・・・鬼はよく食べると聞いてはいたが・・・・数か月分の蓄えを1人で数週間で食べ切るとはやはり想像をはるかに超えるせっちゃんの鬼の胃袋だ。

で、今回は朝食をもらいに来たのではないのだろ??

差し詰め・・・ギルドに張り出されてあった緊急依頼の相談といったところではないのか??」

魔王の言葉にせっちゃんは勢いよく口に含んでいたものをゴクリと飲みこみギルドに張り出してあった緊急依頼の用紙を取り出しテーブルに置き説明をし始めた。



「そうなの、この緊急事態・・・私の所もだけどこの街に危険が迫っている様なの。

このギルドの緊急依頼の内容は王国に向かっているダイオウリクガメの停止または討伐・・・ルートの変更ってなっているのだけれどギルドの持つ情報設備を駆使して情報を集めた結果、この国を避けることはないと言う結果が出たそうなの。

だからこの大きな問題を解決すれば大金が手に入ることは必須なのだけれど私はみんなのいるこの国を守りたい。

だから一緒に力を合わせてダイオウリクガメを止めに行かない??」

「ダイオウリクガメ・・・聞く限りだとそんなに強そうな害獣??ではなさそうだがどんなヤツなんだ??

ギルドが緊急依頼を出すくらいだろ?って事は相当面倒な相手だろうとは思うんだが・・・・サッパリだ。」

「ダイオウリクガメですか・・・この世界に住まうゴッドアースとも呼ばれる神聖時代から生きる超大型の神獣と言われていましたが特定危険害獣として認定を受け国家が滅ぶ直面になった時のみそのダイオウリクガメに剣を抜いて良いと言う決まりなのですが。

まさかこの国にやって来るとはやはり運はないのですかねぇ・・・・」

「ダイオウリクガメか・・・と言うことはここまで来るのにそう時間はかからないだろうな。

大きさといい寝ずに移動し世界の動く地盤とも言われてるからな。

ヤツを倒すには背中から内部に侵入し心臓の停止をするしかないと聞くが中に潜り込んだ者は生きて出られる保証はないとも聞くからそれ相応の覚悟が必要だ。

私は参加することに拒否も否定もしないから後はハルトたちが考えて決めてくれ。」

魔王たちの説明を聞いたハルトは語られた内容から自分の天秤で測ったところダイオウリクガメの勝利にしか天秤が傾いておらず国民に助かる可能性があるとは思えず。

待っているせっちゃんにここにいても何もできないと強く言い聞かせて逃げようと語る瞬間、せっちゃんはハルトに抱き着いていた。



「やっとハルトたちと仲良くなれたこの国をなくしたくないよぉ~~~

私、やっと他の冒険者やハンターたちと話すくらいになれたのにぃ~~~」

「・・・・・・・ハルト、ここは分かりますね??

私たちも色々と言いたい気持ちもありますが・・・ここはハルトに全てを委ねます。

だってハルトは私たちのリーダーなんですから。」

「り、リーダーは私よ!!!で、でも・・・今日くらいは地味で活躍の機会が薄いハルトにいい所を見させてあげるわよ・・・今日だけだからね!!!」

「で、ハルトはどうしたいのだ??

国のピンチを知りつつ無視できる害虫のような腐れ外道ではないはずだ。

だから早く答えてせっちゃんから離れてくれ・・・そろそろ我慢の限界だぞ。」

「お前ら・・・・あぁ、クソ・・・わかった!!!その何とかリクガメを倒せばいいんだろ!?

他にも冒険者とかハンターたちがいるのなら作戦も組めるだろうしさ。

現在の状況がわかるのなら全部知りたいからまずはギルドに移動だ。」

ハルトはせっちゃんに協力すると告げると、今度は嬉しさから強く締め上げられ・・・・柔らかなモノを楽しむ前に全身の骨が悲鳴を上げていた。

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