357日目 唐突な裏切りと粛清


 寒さで死にかけたハルトたちの入浴を妨害するかのようにメルトと魔王が帰って来ると・・・2人はキルりんとハルトを探し始め。

次第に声は近くなり2人は風呂場までやって来ており、キルりんが入浴しているのかと問うて来ていた。



「あ、私はここですよ・・・メルトの魔法のおかげで入浴せざるを得ない状況だったので文句は言わせませんよ??」

「そうじゃないのよ、ハルトがいないからキルりんなら何か知ってるんじゃないかって来てみたのよ。

―――――――――そこにハルトはいないのかしら??」

「うわぁ・・・一番面倒なシチュじゃねぇか・・・・

こういう時の漫画やアニメのお決まりと来たら大体は一緒に入る展開になったり他をあたるとかだろうがここは前者が強い・・・どうする俺!?」

「メルト、コレはハルトの衣服だぞ。

それにコレはまだ生暖かい・・・と言うことは・・・ハルトッ!!!キルりんとお風呂場で何をやっているのだ!?いるのだろ!!!さっさと出てこないとお風呂場に突入する!!!」

魔王はハルトの服を見つけると想像以上に頭を回転させてハルトとキルりんが同時に入浴しているという答えが導き出されており。

ハルトはこの状況をすぐさま打開する方法として・・・もうこれしかないとキルりんにタオルを投げつけて床に転がしその上からハルトは目隠しをしてキルりんの耳元でコソコソと話を合わせるようにと呟いた。



「それじゃそう言う手筈で行くから後は流れで頼むぞ??

――――――――――それじゃ張り切っていくぜぇぇ!!!!」

「あぁぁッ!?あッーーーーーーそこは効きますよハルト~~~

あぁぁ~もうだめです限界ですぅ~~~うひゃぁ~~~」

「一体何やってんのよ!?魔王突入するから淫行ハルトマンをぶっ殺すの手伝って!!!!!」

「あぁ任された・・・このキルりんに対する行為は何かモヤモヤするから手を貸す。

いやむしろメルトが私に手を貸すのだ・・・どうしてだろうな・・・この状況を考えただけでいつもはクールな私が冷静でいられなくなっていることが心配なくらいだ。

だから危ないことをしそうになったら助かる。」

ハルトはいたって健全なマッサージをキルりんに行っていたがそのマッサージの対象であるキルりんの気持ちよさから出る言葉にメルトと魔王に火が付き突入すると。

メルトが言葉を口に出す前に魔王はキルりんにベタベタと振れているように勘違いし大剣で浴槽の中へと沈めていた。



「ブゴボゴボボボボボ・・・・・・・・・・」

「大丈夫かキルりん!!!ハルトに何かされていたようだったが・・・・本当の本当に大丈夫か!?」

「えぇ・・まぁ・・・ハイ大丈夫です。

というよりもハルトは私にマッサージをしていただけであって魔王が顔を赤くするほどの事はされていないのですが・・・・メルトはどうして止めなかったのです??」

「え、いや・・・・たまにはハルトにも痛い目を見た方がいいと思って言わなかったのだけど。

まさか魔王がここまで見境なく攻撃するとは思わなかったわ・・・・

もしかして魔王は酔ってたりする??」

メルトはないであろうことを平然と魔王に問うと、魔王は酔っていないと断言しマッサージと知った上でハルトを助けに浴槽へ入り沈んだハルトを回収して転がすとハルトは口からドバっと水を流し息をし始めていた。



「マジでなんだよ・・・人がマッサージしてりゃ魔王に剣でぶっ飛ばされるわ散々じゃねぇかよ・・・・

で、魔王は俺に何か言う事があるんじゃねぇのか??なぁ??なぁ!?」

「え、えっと・・・その・・・あ・・・ゴメン・・・すまなかった。

だ、だがコレはメルトが止めなかったのが悪いのだ!!!

私はここに突入する前に言ったのだ!!私が何か危ないことをしそうになったら止めるようにと。

だ、だから・・・これらの事はメルトに問題があるのだ!!!」

「ハァ!?自分の行動の罪を私に擦り付けんじゃないわよ!!!

とかなんとか言って殴り飛ばして一番ほっとしたのは魔王なんじゃないの!?

って、かよくよく考えてみるとやっぱりハルトとキルりんが裸の付き合いをしている方が問題じゃないの!!!マッサージなら服を着たままでもできるでしょ!!!」

「何を言っているのですか!!!服を着たままなんてできるわけないじゃないですか!!!

そもそもメルトが私とハルトをビショビショにしたのが原因ですよね!

だから私には罪はありません!!!あるとすればハルトです!!!

ハルトは言いました・・・寒いから一緒にお風呂に入ってもいいかと。

私は強く否定しましたがハルトは強引に私の服を剥ぎ・・・マッサージと言って無理矢理肩や腰をマッサージし始めたのです。」

キルりんの突然の裏切りにハルトは脳が真っ白になりこのままでは目が真っ赤燃え上がらせた魔王に八つ裂きにされると感じたハルトは大急ぎで風呂場から飛び出し自分の部屋に帰りベッドに潜り込んだ。



「何だよ!?アイツ急に裏切りやがって・・・自分が助かればいいと俺を簡単に切り捨てやがってぇ・・・・後で目にもの見せてやるからな!!!

だが、先ずは着替えないと風邪になるな・・・替えの服はっと。」

ハルトは追いかけてこないと知るとタオル1枚の格好では寝られないとタンスを開いて着替え。

誤解を解くためにリビングに戻り堂々とソファーに座って待っていると風呂場から3人の声が聞こえリビングにやって来ると。

メルトは何かをハルトに投げつけ受け取ったハルトはそれは自分の服だと言う事を知ると共に触った感じから察するにびしょ濡れではなく日光で数時間乾燥させたかのようにしっかりと乾燥させてある状態に気付き再びメルトたちの方を見ると。

メルトは濡らしてしまった事や風呂場での出来事を謝り・・・キルりんも同じように謝りだし・・・ここはハルトも怒るのではなく大人の振る舞いとしてすべてを告白するとともに謝ると。

次にメルトたちの方向を見た中には笑っている様で笑っていない魔王の姿があり。

魔王はハルトに少しずつ近づき逃げられない所まで近寄り・・・ハルトへ最後の言葉は何かないかと問うとぎこちない顔を作りつつひと言「ごめんなさい」と言うも魔王の逆鱗はすでにピークとなっておりハルトは強い打撃を脳に受けそのまま気を失ってしまっていた。

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