247日目 メルトの武勇伝??
メルトが騒ぎながらハルトたちに援護を求めているスキを突かれ。
上空にいた巨大トンボはメルトに突進し、その攻撃をモロに受けたメルトは目を回して地面に崩れ落ち。
トンボが地面に下りたってメルトにノシノシと近づいてきていた。
「ギチチチチチチ・・・・・・」
「うぅぅ・・・・・・ん??ひぎッ!?」
「メルト・・・・ちょっとだけ静かにしていてくださいよ・・・
ハルトから聞いた方法でトンボの目を回させてみますので。
えっと・・・確か・・・指を回してっと・・・・どうですか!これで目が回って・・・・ぎぎゃ!?」
「あぁ!?マズイ!!!キルりんがトンボに掴まれちまった!!!
ここはもう全力でやるしかねぇ!!!魔王、悪いがあのトンボを倒して来てくれ!!」
「ん~~ハルトが言うのなら仕方ない。
それじゃ落ちてくるキルりんを任せたぞ??」
その発言を言い切った魔王は瞬時に翼を広げて上空に飛び出し、トンボの羽を大剣で斬り落とすと。
トンボは掴んでいたキルりんを捨て・・・ハルトはキルりんを受け止めようと落下地点を確認しながら手を伸ばしてキャッチしようとしたのだが・・・・・
「いっつ・・・・・ん~何とか無事?見たいですが・・・・本当にえらい目にあいましたよ・・・・ん?あれ?ハルトはどこです??」
「お前の下だよ・・・・硬いケツを早くどけてくれ・・・・イダダダダ!!!」
キルりんはハルトの体の上に立つと、トンボはどこにいるのかと探し始めた次の瞬間・・・・メルト近くに巨大トンボが降り落ち、そこに向かって魔王も着地すると身動きのできなくなった巨大トンボに最後と一撃を加えた。
「ふぅ・・・コレで今回の依頼は完了だな。
それにしてもトンボか、コイツが出て来たと言う事はもう秋が終わり冬がやってくと言う事だ。
うかうかしているといつの間にか冬になってしまうだろうな・・・」
「何を切ない顔をして言ってんのよ・・・・
顔に虫の体液を付けて・・・魔王ってば本当に最後の一撃の際は容赦ないわね。
トンボの顔面が真っ二つじゃないの・・・・」
「よいしょっと・・・でも、これで依頼は完了ですのでその辺の細かい事は触れないでおきましょう。
魔王が乱暴と言う事には変わりはありませんし・・・・おっと、すぐに狼煙を上げて回収に来てもらわねば。」
「イテテテテ・・・あいつ・・・俺の上に力を入れて乗りやがって・・・
俺はMじゃないんだぞ・・・・ったく・・・んで俺が見るからに戦闘が終わったようだが誰もケガとかしていないか??」
ハルトはうんと手を上げてケガを主張するメルトを無視しながら魔王たちに問いかけ。
全員無事と言う事にして魔王の元へ向かって行くと、メルトはハルトの目の前に出て手を上げながらけが人と主張していた。
「だからホラ!!!私はけが人よ!!!トンボに強烈なタックル喰らったじゃない!!
そのダメージが残ってるから・・・えぇっと・・・帰りはおんぶしてくれないかしら??
と、いうかしなさいよ!!!こういう時に使い魔のアンタが私をお家まで運ぶのは普通じゃないの!?
これが主の特権でしょ!特権よね?そうよね魔王??」
「あぁ・・・主従関係を交わしたモノ同士ならそうなのだろうが。
ハルトにも一応拒否権というものがあると思うのだがどうなのだろう。」
「お前、何べんも言うが俺の主だと言い張る気ならもっとやる事やって俺を認めさせたうえで言えよな!!!
俺が見てるお前は酒をかっくらって寝てるだけの使い物にならねぇクズクズのクズ魔術だか魔導士であってまだまだ甘やかすような存在じゃねぇって事だ!!!
つ~わけで歩いて帰るぞ・・・キルりん終わったか??」
「はい、先程トンボの回収が終わって持って帰りましたよ。
あとは私たちも街に帰るだけですが・・・・どうしたのです??メルトがすごく落ち込んでいますが。」
キルりんはメルトが真っ白になって落ち込んでいる事情を尋ねてきており。
ハルトは隠すこともないと全ての事情を語り聞かせると・・・・キルりんはハルトの説明に納得してメルトの元へと向かい――――――――
「ごにょごにょごにょ・・・・・」
「そうよね!!!やっぱりそう思う!?私もそう思ってたのよ!!!
あのクソなダメ使い魔なんていつか眠ってる間に干物にして捨ててやるんだから!!!
さぁ~て気分もスッキリした事だし帰ってシュゴビーでも飲みましょっか!!!」
「話の内容がものすごく気になるがここは気にしないでおくか・・・・
どうせロクでもない陰口だろうし。」
「ま、まぁメルトの機嫌が戻った今のうちに戻る方がいい。
何せメルトのメンタルは時々すごく脆くなるからな。」
魔王も魔王で脆くなると言い返したかったハルトだったが、ここは穏便に行こうと走って帰るメルトを追いかけるようにハルトたちも走って街へと戻るとギルドで報酬を受け取ってから酒場へと向かった。
「で、私の華麗な魔術の一撃によってトンボを撃滅!!!
そんでもって今に至るってわけよ!!!どう私の武勇伝は!!」
「へぇ~メルトも腕を上げたなぁ~
最初は酒を飲むしか能のない酒乱魔術師だったのにな。
人は変わると言うがまさかダメな奴が変わるとは想像もできなかったぜ。」
「だろぉ??そう考えたら俺たちの苦労が滲み出るのも頷けるだろ??
で、どうだ??数週間・・・いや数か月メルトを使って見やしないか??
よかったらそのままお持ち帰り・・・げはッ!?」
ハルトはどさくさに紛れてメルトを他の冒険PTやハンターたちに投げ飛ばそうとしたが。
メルトは多少酔っていたにしてもハルトの言っている問題発言に機敏に反応し、ハルトの腹に魔術師には思えないキレのあるブローをかまして黙らせ。
ハルトの話を全て白紙にしてハルトを引きずって席に戻った。
「は、ハルト!?どうしたというのだ・・・・さっきまではイキイキと活魚のようにギンギンな目をしていたというのに。
―――――――――――今では煮えた魚のようだぞ??」
「それって間違いなく死・・・・・まぁハルトの事ですから数分置いておけば治るでしょう。
ですが・・・メルトはあぁやって自慢していますが本当は魔王が倒している事を知ったら幻滅するのではないですか??」
「大丈夫よ!!私の功績も多少はあるのだから最後の最後でやったのが誰だろうと構わないわ!!私であろうと魔王であろうとキルりんであってもね!!!
だからもっとじゃんじゃんシュゴビーを飲ませてちょうだいな!!!」
このメルトは酒の力によって完全に違う方向に出来上がってしまっていると感じたキルりんはそれ以上何も言うまいと果実のジュースを飲みながらハルトの意識を覚まそうと顔に水をぶっかけた。
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